2007年12月

体得など、絶望的。(篆刻:体得)

体得

いま、マウスを動かす右手の人差し指の先が、マメの出来かかりのように痛い。
きょうは、花の会の今年最後の稽古日。Sさんの指導で、恒例の注連(しめ)縄作り。
ところが、去年は、まあまあの出来だったのに、今年はどうも勝手が違う。
どう違うかを説明するには、まず、注連縄の作り方を説明しなければならない。
面倒だけれど、復習にもなることだから、順に書き出してみようか。

まず、作りたい縄の太さに応じた藁を3つに分ける。両手の親指と人指し指で
3分の1ずつの藁をはさんで、手の平をこすり合わせる。左手を前に前にと
出せば、右左の藁がよれながら、その両方もよれて縄になる。これが、縄をなう
ということなのだが。これが、出来ない。手の平をこすり合わせるのを断念して、
3分の1ずつを指でねじった。そうして3本を作ってから、2本を縄状にする。

さらに1本をからませる。そうして、6本の細い輪飾りと、2本のやや太い
一文字が出来たのだが。篆刻は、旧作の「体得」。年に1回のことだし、
またSさんが教えてくれるさ、という依頼心が体得を妨げているのは、
間違いないのだが。問題は、指が痛いことなどではなく、去年出来たことが、
今年できなかったこと。体得どころか、退化なのだ。体か、脳か、その両方か。

大仏池の、秋。(篆刻:仏)

佛

我が家から山道を下って、さあ奈良市内というところが、朝夕渋滞する。
そんな時は、正倉院の横から、東大寺西側の大仏池に抜ける道を通ることがある。
この大仏池が、NHKの万葉ドラマ、第2話のキーポイントになっていた。
観光コースからはずれているが、池越しに大仏殿、若草山という眺望。モミジや
ナンキンハゼの燃えるような紅葉が、年上の女性に恋した若者の心を象徴していた。

我が家のロケでは、詳しい説明も聞かなかったのだが、試写会の案内でやっと
飲み込めた。NHK奈良放送局、開局70周年記念の「ドラマ 万葉ラブストーリー」。
万葉集にちなんだ脚本を公募して、選ばれた3話を10分ちょっとのオムニバスで、
構成した番組。我が家は、その第1話、中学生の男の子が転校生に恋して、
書道の先生であるおばあさんの家に助けを求めに来る、という設定なのだった。

始まって間もなく、我が家が現われた。部屋にあるすべてが、我々には意味ある
ものだけれど、写っていてもいいのかな、とそんなことばかりが気になったが。
しかし、3話は短いながら、万葉集の歌を効果的に活かして、いいドラマだった。
放送は来年、1月18日夜8時だが、見られるのは奈良県だけというのは、残念。
奈良といえば大仏と鹿しか知らない県外の人にこそ、見て欲しい番組なのに。

8年前の、音楽。(篆刻:音楽)

音楽

ちょうど8年前の今日は、日曜日だった。私は、剣道の道場でいつにもなく
気持ちのよい練習をしていた。その時、カミサンが何度も携帯に電話したのだが、
それは防具袋の中で、呼び出し音は聞こえなかった。それではと、館長の自宅に
電話して、やっと話せたのだが。「遊が、鈴鹿のバイクレースで事故を起こした。
すぐ鈴鹿に向かいたい。急いで帰って来て」と、早口でまくしたてる。

着替えて、車を飛ばしたが、45分はかかった。家には、大和郡山にいる
次男夫婦も待っていて、その車で鈴鹿の病院に向かった。病院のロビーでは、
バイク仲間が壁際で泣き崩れていた。医者に会うと、あれこれ説明があったが、
結論は「午前11時ちょうどに、心肺装置をはずした」のだった。重症だろうが、
死ぬなどとは、なぜかまったく思っていなかったので、ただ面食らった。

それからやっと遊に会えたが、顔には傷もなく、苦しそうでもなかったので、
少しほっとした。ロビーに出ると刑事に呼ばれた。大学ノートを手に、深刻な顔。
「決まりなので、誰かに部品を抜かれたとか、狙撃されたとかを調べましたが、
事故に間違いありませんでした」と言ったところで、刑事の携帯が鳴った。
"ルパン ザ サード!!!" 何とも元気ハツラツ、能天気な着メロなのだった。

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