2009年4月

何の因果か。(篆刻:因果)

因果
このブログが、15日から更新できなかった。その言い訳をさせていただく。
まず、gooで始めた新ブログ『百野草荘 花だより』に追いまくられていた。
この季節、毎日4つも5つも新しい開花があるから、撮影しなくっちゃ、となる。
PCに取り込んで選ぶ、画像をダウンサイジングしてローマ字で名前をつける、
画像をアップする、文章を書く、投稿する。それで午前中がつぶれる、こともある。

そうするうちに、三游会で注文をいただいた篆刻の、だいたい1ヶ月以内という
期日が迫って、先週は猛然と篆刻に励んだ。毎日2?3点、きょうの午前中に
最後の1点を彫り上げて、やっと14点全部を刻了したのだが。それぞれの
篆刻を押して、筆でその文字の意味を書く「為書き」をする。ホームページに
掲出のお願いを添える。あれこれがまとまると、ちょっとした手間になる。

さらに加えて、PCのトラブルが続出。まず、有料のウイルスソフトなのに、
迷惑メールの振り分けがおかしい。メールや電話で修正モジュールをダウン
ロードする。その間に、広告の仕事の方で、メールの添付画像が化けて
見えないという問題まで発生。花のブログや篆刻なら、いくら忙しくてもいいが、
PCのトラブルや迷惑メールで消耗するのは、何の因果でとボヤキたくなる。

春の、生命。(額:天の会)

燕&看板
裏の溝で、カエルが求愛の声をあげはじめた。メダカの1匹の腹が横にふくれ、
卵を抱えたのが分かる。前の庭では、熊蜂がホバリングをしている。ツバメも、
縁側の去年の巣を物色している。春の生命が、確かに動き始めている。

先日の夕方、ツバメが縁側に面した部屋のガラス戸にぶつかってバタついていた。
玄関の戸を大きく開けたから、出て行ったと思ったのだが。夜、まだ家の中にいて、
壁にしがみついている。猫にやられてはと、虫捕り網で捕ろうとしたが、逃げ回って
天井と壁の隙間に入り込んだ。脚立に乗って手を伸ばしたら、難なく捕まえられた。
鼻先でも打ったのか、ぐったりして、目も閉じかけている。こりゃ、まずい。

「ツバメの巣に置いて、駄目なら寿命、元気になったらメッケもの」という、カミサンの
案にのった。何度か、懐中電灯で見れば、そのたびに目の輝きが増して、翌朝には
飛び立っていた。そのツバメかどうかは分からないが、縁側の内側の壁に篆刻教室
「天の会」の看板を掛けたら、さっそくツバメがとまりに来た。これって、吉兆かな。

いよいよ井手に水が通って、田んぼに水が入り始めた。縁側のツバメの巣には
つがいが入って、田の濡れた土を運んでの巣づくりがはじまった。染井吉野は
はらはらと散ってしまったが、山は新しい生命を宿して、静かに笑っている。

母の、心。(篆刻:母心)

母心
三游会が終わって間もない4月4日は、横浜で母の一周忌だった。

大正2年に、埼玉県、いまの深谷市の農家に生まれて、横浜に女中奉公に出た。
ご主人は貿易商、奥さんはお琴の先生で、娘同様に可愛がっていただいた。
敷地400坪のお屋敷には、水洗トイレ、掃除機、ガスレンジがあり、クリスマスには
元町で買った七面鳥がご馳走だったという。横浜・関内の家具屋に嫁いだ。

そこから戦中、戦後の苦労話がはじまるのだが、それでも4人の子供を育てて、
最後は仙台の長男の元で、94歳で亡くなった。父が横浜で先に亡くなったので、
墓は横浜にある。法要、墓参りの後、兄弟姉妹の4夫婦で、横浜みなとみらいの
万葉倶楽部なる温泉に泊まった。宴会の部屋のカラオケ画面に星座占いが流れる
のだが、私と妹の獅子座は「墓参り、親孝行は、大吉」と出て、びっくりした。

子供の中で私がいつまでたっても心配だったようだ。公務員なら安心だったらしいが、
その正反対の自由業もどき。親孝行したい時には親は無し、の典型なのだけれど。

仙台での葬式は、桜が満開。今年の法事のお寺も墓地も、満開の桜。明日の命日、
我が家の桜も満開。桜の時期に兄弟姉妹が集まるように、その時期に旅出の日を
決めたのは、母の最後の思いやりではなかったかと、思う。篆刻は、「母心」。

小さな、ミラクル。(篆刻:miracle)

ミラクル
新ブログ「百野草荘 花だより」にかまけて、三游会の準備が遅れがちになったが、
花冷えの3日間、千人近い方々にお越しいただき、心から感謝、感謝です。

その会期中に、広告界の大先輩が相次いで亡くなった。コピーライター土屋耕一氏、
デザイナー早川良雄氏。広告のひとつの時代が、確かに終わった、と思う。

広告での友人Mさんから写メールが届いた。ダイコンの花だった。Mさんは、
いま闘病中だが、奥さん、娘さんふたりで、春の浅い日に訪ねてくれた。向いの
羊たちに野菜をあげての帰り。娘のKちゃんが土手で見つけたのが、このダイコン。
何度も踏まれて、茶色の根がむき出しになって干からびていて、小さな葉も
弱々しかったが。持って帰って植えたら、すくすく育って、たくさんの花をつけたのだ。

昨日は、我が家に伝書鳩が迷い込んだ。足輪を見たら、兵庫県明石市と電話
番号があった。直江津からのレースで放したもので、日通が引き取るシステムが
あるのだという。水と米を与えて一晩休ませて、きょう無事、日通に渡した。

人が生まれてきたこと自体が奇跡。蹴られて枯れたかもしれないダイコンが
生き延びたのも、奇跡。疲れて死んだかもしれない鳩が助かったことも、奇跡。
この世界は、小さな奇跡の膨大な集積のうえに成り立っているのですね。

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