2009年5月

漢検の、能力。(篆刻:能)

能
このブログ、「漢字がよろこぶ」とサブタイトルを掲げている以上、あの漢検=
財団法人日本漢字能力検定協会に触れない訳にもいかない。

私は大久保前理事長に平成8、9年頃に会っている。正確には、悲願である
応募者100万人達成のための広告プロモーションを提案したことがある。
まだ75万人程度だったと思うが、予算も少なかったから、新聞の突き出しという
小スペースでのシリーズを提案した。どうもその頃には親族のダミー会社に
広告も横流ししていたようだから、とんだ茶番に付き合わされただけだった。

話は大学時代に戻るが、音楽企画センターという会社でコマーシャルソングを
書いて、小遣い銭をもらっていた。その社員Kさんと、ある夜、新宿で酒を飲んで、
ラーメンを食べた。外ではデモ隊のがなり声が聞こえる。Kさんが唐突に
「バラという漢字書ける?」と聞く。その時、彼は割り箸の1本を落としたのだが、
残りの1本をふたつに割って、ラーメンを食べ続ける。Kさんを見ながら思った。
「<薔薇>という漢字が書けなくたって、ボクは何とか生きていけますよ」と。

昨年度は応募289万人、合格151万人。一生懸命勉強しての合格だろうけれど、
「私物化」の意味も知らない協会の検定なんて、空しいよね。篆刻は、「能」です。

篆刻の、いい話。(篆刻:篆)

篆
このブログ、最近はPCのトラブルや禁煙区域の苦情などで、雰囲気が悪い。
おまけに、この春からはじめたブログ「百野草荘 花だより」が忙しく、最近は
文章が長くなってきた。このままではマズイから、初心に帰って篆刻の話。

3月末の三游会で、ある方に聞かれた。「以前、心があれば形に表れるという
篆刻があったと思うのですが」 「『有志在形』でしょうか」 その額をご希望だと
思ったのだが、結局は石も欲しいとおっしゃる。55ミリ角、そんな大きい石は
押すのも大変では、とお聞きしたが、何より言葉が好き、だから石も自分のものと
して傍に置きたい、とのこと。コピーライターが言葉を選んで、篆刻に定着させた。
その意味と形に共感してくださる方が、確かにいた。これに勝る幸せは、ない。

友禅作家の湯本エリ子さんの「エ」の印を彫ったのは、ずいぶん前のこと。
2、3年前、日本伝統工芸近畿展で受賞作を拝見したら、作品に押した印の彫りが
浅く、彫り残しが点々とある。改めて深く彫らせていただいたのだが。第38回で
日本経済新聞社賞を受賞された。大阪で作品を見たカミサンによれば、印も
しっかり見えた、とのこと。この27日からは京都高島屋だから、きっと拝見する。
篆刻は、基本に戻っての「篆」。おかげさまで、楽篆堂は最近うれしい話が多い。

※篆刻「有志在形」は、このブログの2008年11月5日に掲載。

紫煙1本、1000円。(篆刻:紫)

紫
今回は、開高健大先生の気の利いた煙草のうんちくで始めたかったのだが、
こんな時に限って見つからない。シャレてる場合ではないから、本題に入る。

3月1日、奈良市で「路上喫煙防止条例」なるものが施行された、らしい。
禁止地域は、東大寺入り口、奈良市役所、春日大社一の鳥居、JR奈良駅に
囲まれた道路・公園などの公共の場所。歩きながらはもちろん、立っても
座っても、たとえ携帯灰皿を使っても、罰金1000円。市の環境保全課に電話で
聞いたら、近鉄、JRの駅そばには2ヶ所ずつ灰皿を置き、喫煙できるという。
コンビニの入り口の灰皿では、と聞けば、そこは私有地でおとがめ無し、とか。

「平城遷都1300年記念事業に向け、国際文化観光都市としての美しい街並みと
安全で快適な生活環境を確保するため」というのが、その大義名分らしいが。

近鉄奈良駅の西側、油坂のJR高架化という大工事をしたのに、JR奈良駅からの
車道が交差したままで、渋滞は前よりひどくなった。これは大義名分に反して
いないか。車の渋滞、排気ガスを抜本的に解消せず、喫煙者に小手先の条例で
迫る。税金が足りないと、真っ先に煙草の値上げをする。喫煙者いじめの数々を
思い出しながら、煙草をもう5、6本もすった。篆刻は「紫」、泣き顔にも見える。

メダカの話。(篆刻:眼高手低)

眼高手低
世界は新型インフルエンザのウイルスで大変だが、私のデスクのPCだって
「ウイルスバスター」というアンチウイルス用ソフトで大変なのだ。このブログの
コメントに、ここでは恥ずかしくて書けないようなタイトルが、ときどき入ってくる。
さらに明らかな迷惑メールがはじかれずに受信トレイに入っている。有料ソフトで
なぜと文句を言って、何回も修正モジュールなる作業をしたのだが、2009年版
では無理となって2008年版に戻した。それでも改善せず、お手上げの状態。

これは書く方も読む方も不愉快だから、こどもの日らしいメダカの赤ちゃんの話。
5匹のメダカの1匹のお腹が、春先からふくらんで、ある日下腹に卵らしきものを
2、3個発見。教えられた通りに、シュロの皮の繊維をむしってきて別の睡蓮鉢に
浮かべる。メダカを乗せると卵が落ちる。母メダカは元のオスのいる鉢に戻す。
数日して体長2?3ミリで、目玉としっぽだけの子が泳いでいる。2回の孵化で
6、7匹。昨日も今日も卵を分けたから、大家族になって、学校も開けるだろう。

では、なぜ篆刻が「眼高手低」なのか。批評眼ばかりが高くなって、創作力が
追いつかないこと。20代に知って、いまでも耳の痛い言葉だが、長い間「がんこう
しゅてい」とは読まず、「めだかてびく」と覚えていた。メダカに笑われちゃうね。

ページ上部へ