2011年1月

こんな銀行、普通じゃない。(篆刻:普)

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今年の12分の1がもう終わる。日経新聞朝刊の「私の履歴書」、1月は元日本郵政
公社総裁・生田正治氏で、今日が最終回。毎月各界重鎮の生き様、仕事振に感銘を
受けるのだが、今回ばかりはいささか辟易した。最初から延々と自慢話ばかりが続き、
辞めた(辞めさせられた?)郵政公社の話ではいい訳ばっかり。後味は最悪だった。

さて、その郵政民営化だが。先週、この地区の郵便局に行った。ゆうちょ銀行ATMで
銀行に現金を送ろうとしたのだが、これができない。ATMがだめなら窓口と思ったが、
それもダメ。ゆうちょの通帳かキャッシュカードでしか他行にお金が送れない。そんな
馬鹿なと、帰ってからホームページを見たが、やっはりダメ。その画面の上を見れば、
「あたらしい ふつうをつくる。」とスローガン風の言葉があって唖然とした。民営化の
当初は仲畑さんの「真っ向何とか」と勇ましいコピーだったが、「新しい普通」って何?

ゆうちょ銀行と言いながら他行には現金が送れないと、これを書いたコピーライターは
知っていたのか。株式会社ゆうちょ銀行のトップに聞きたい。ゆうちょ銀行に新しい
サービスなんてあるのか。どこの銀行でも出来る普通のことをちゃんとやるのが普通
ですよ。「あたらしいふつう」なんて、そのずっと先の話ですゾ。篆刻は「普」で、人の
ならぶ「並」と「日」。日は日(ひ)か祝器か判然としないが、その意味は「あまねく」だ。

宇野亜喜良さん、のように。(篆刻:亜)

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いつもより早く目が覚めたが、起きて新聞を取りにいった。日経新聞の朝刊小説
『韃靼の馬』が、きょう最終回だから。高樹のぶ子『甘苦上海』に続いての連載で、
辻原登という作家は知らなかったが、日本の対馬、大阪、江戸、朝鮮、モンゴル、
さらに中央アジアへと展開するスケールと、それに緻密に織り込まれた人間の心と
生き方に、毎朝新鮮な刺激を与えられた。そして、宇野亜喜良の挿絵が良かった。

あえて宇野亜喜良さんと呼ばせていただくが、私が大学の頃すでにイラストレーター
としてスターだった。下世話な言い方をすれば、サイケなイラストで一世を風靡した。
改めてWikiで知ったのだが、カルピスの社員で広告・宣伝を担当したそうだから、
業界の先輩で、私が入社しかかった日本デザインセンターのメンバーでもあった。
ときどき週刊誌の挿絵でAquiraxの名を見て、まだ現役、健在なんだと思ったが。

今回は、ただただ圧倒された。男は武士、青年、老人、女は武家の子女から朝鮮人、
ロシア人まで、馬、鳩、そして風景、とにかく毎回何を描いてもすごい。人の表情は
もちろん、風景にまでドラマが描き込まれている。最終回の画には434回の登場
人物のすべての想いがさりげなく込められていた。私のちょうどひと回り上なのだが、
私がクリエイターであり続けるならば、彼は私の道の先の天空にさん然と輝く星だ。

自分は、自分を超えられるか。(篆刻:超)

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年越しになってしまった歯磨きの話。会社の場所が変わるその先々で、ちゃんと
歯医者に行って、虫歯を治し、ブリッジもあつらえ、歯石も取っていたはずなのだが。
定期的に行っていた奈良市内の歯科が消えたので行った、車で5分ほどの笠置の
歯科診療所で。初診でひと通りの検査をしてもらったら、歯周ポケットはかなり深いし、
その底には長年の歯石が隠れていたりで、抜本的にメンテナンスをやり直すことに。

その基本は、やはり毎日の歯磨きということで、まずは正しい歯磨きの練習から。
今までの歯医者では、一回も教えてくれなかったことが不思議。正しく磨かれると
売上に影響するからかと、勘ぐりたくなるほど。磨き方もさることながら、歯茎に
良いと思って使っていた塩歯磨きは気休めでフッ素入りの方がいい、歯ブラシの
硬さは普通ではなくやらかめを、とちょっとしたカルチャーショックの連続なのだ。

松の内も過ぎて遅ればせの、新年明けましてお芽出とうございます。篆刻「超」は
年賀状用で、「今年の自分は、去年の自分を超えられるか。」と書いた。この歳で
もう人格は変われっこないから、せめて篆刻で新境地をという意味もあるけれど。
60余年ちゃんと歯磨きしなかった自分が、曲りなりに朝晩5分ほどもう少し正しく
磨こうと集中する。それだって去年の自分を超えたのだと、今年も自分に甘い自分。

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