2012年11月

出すのは、片足。(篆刻:一期一笑)

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久しぶりに「情熱大陸」を見た。京都・花背の里、摘草料理「美山荘」の四代目当主
中東久人氏。美山荘といえば、いま奈良・宇陀で「かえでの里」づくりに奮闘される
矢野正善さんが料理写真の草分けとして、ここの料理を撮っていたのではないか。
撮影に山野草が必要で、それがカエデの世界に入るきっかけになったと聞いたが。

名門の四代目はそれなりに苦労したようだが、それを顔に出さず、いつもにこやか。
それでも先代の友人で、後見人のような南禅寺「瓢亭」の高橋英一氏が訪れた時は
緊張しながら秘蔵の蛸唐草の古伊万里を選んだ。鯉料理だと思うが、料理人が嫌う
鯉のウロコを揚げてつぶした粉をかけて出した。高橋氏はその料理にはコメントせず、
蛸唐草の器の中にまた小さな器を置いたことを「音がするし、器を傷める」と注意した。

さらに続けたのは「(冒険するのは良いが)片足で出なさい。両足で出てはいけない」。
ウーンとうなりました。これが、京都なんだと。伝統を守りながら、絶えず革新する。
京都がいまだに京都たるを誇ることの真の意味を、やさしくだが深く言い当てている。
さて、私、楽篆堂。四千年の歴史がある漢字と篆刻で、多くが懐古・保守に流れる
現状に逆らうが。両足で飛び出れば篆刻でない何かになってしまう。この「一期一会」
ならぬ「一期一笑」。高橋英一氏とテレビを通じての「一期一笑」だったと思うのだが。

恐怖の、オオスズメバチ。(篆刻風画像:蜂子)

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この篆刻風文字は、東京の漢方薬屋さん「ゑびや」のパッケージ用に書いた「蜂子」。
蜂の子も漢方薬とは知らなかったが、この地区では蜂の子を好んで食べる人も多い。
子どもの頃、こよりを付けて追い、巣を探して獲ったという。寄合いでの菓子代わりに
蜂の子の佃煮が出たこともあり、よろこんで食べる人を私はただただながめるばかり。

蜂の子なら冬を前にしての「薬喰い」になるが、スズメバチ、それもオオスズメバチだと
危険このうえない。それが家の横の里道の際で巣をつくっている。天気のよい日には
蜂の出入りも活発で、道も通れない。そこはお婆さんが亡くなり相続されてない空き地。
以前、我が家の桐の木の根元に蜜蜂が巣をつくり、それを狙うスズメバチが来た時は
市役所に電話したら、すぐに養蜂業者が来て、巣をとり、美味しい蜂蜜もたっぷり貰えて、
それでも無料だった。今回は市に電話したが例の仕分けとやらで担当する課が無くなり、
電話は保健所の方に廻されて、結論は私有地なら業者に有料で頼むしかないという。

「ハチ・トラップで捕獲する方法もありますが」と聞いたので検索したら、「穴を開けた
プラボトルに蜜などを入れて獲る」方法だと分かったが。それが有効なのは女王蜂が
越冬明けの4、5月で、6月以降は働き蜂が活発になるので危険、との注意があった。

今年3回蜂に刺された知人がいるが、オオスズメバチでなかったから、まだ生きている。

太陽と、遊んだ。(篆刻風文字:京)

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額縁作家・太田實さんとのコラボ展「居心地のいい言葉たち。」は、いろいろな収穫を
いただいた。加えて、その会期後半の3日間には「岡崎ときあかり:あかりとアートの
プロムナード」が開催されたので、太陽電池のあかり《デザイン・ソーラー・ランタン》に
私が提供した篆刻風文字も、いよいよ充電&点灯となる。初日26日は、幸いに晴れ。

写真は、そのひとつ「京」の点灯時のもので、「岡崎ときあかり」、「新しく懐かしい」の
3つが黒い箱に並んで収められている。昼間の充電時は白で、点灯すると黒く見える
線が心配だったが、思ったほど黒さが強くなかったので安心。まずまずの成功だった。

初日の午前中、このランタンを開発した日本写真印刷(株)の担当者Tさんの案内で
設置場所と見え方をチェックしての帰り道。コンビニの前でアイスクリームを食べて
いたら、髪も身体も日本人離れした女性が目の前を通りすぎてコンビニに入った。
出てきた彼女が私にいきなり近づき、「○○警備の◎◎です。よろしくお願いします」
と挨拶された。「岡崎ときあかり」のディレクターOSさんにそれを話したら、「彼女は
公式パンフレットを熟読して、すべてを頭に入れている。当然、パンフの田中さんの
顔写真も覚えていたのでしょう」とのことで、またまたビックリ。建物に映像を投射する
イベントのスタッフには、映画「ボディーガード」もどきのスーパーウーマンがいたのだ。

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