2014年4月

「板倉の家」、ガンバレ!(篆刻:板)

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この地区でも新築の家は新工法で街の家と変わらない。やっと木造で伝統工法の
家が建ったと思ったら土壁ではないのだと聞いて、大きなお世話だがガッカリした。

日経新聞が「木の家が優しさを伝える」という安藤邦広さんのコラムを連載していた。
正倉院や伊勢神宮の板倉造りが源流という板倉構法。戦乱の多かった西日本では
土蔵造りが発達したが、東北には残っている。東日本大震災直後、板倉構法で仮設
住宅をと三日三晩徹夜で図面を引き、見積もりを作った。仮設は協定でプレハブと
決まっているがプレハブ業界が量に応じられず、いわき市、会津若松市に約200戸
の板倉構法の仮設が完成。「家に帰ったようだ」と大好評だった。次は復興住宅へ。

ハウスメーカーの家が坪70万円に高騰。板倉構法は坪60万円だが被災者の再建
費用は1,000万円が限界。そこで互助会を作り坪50万円の目標を達成した。活路は
見えたのだが。この構法は普通の家の3倍の木材を使う。運搬、乾燥、棟上げなど
人手が余計かかる。都会のボランティアや大工見習いなど外部の人材が必要になる。
しかも国は新築の家に断熱材など高い省エネ基準を義務づけようとしているらしい。

日本では木材利用こそが省エネなのだし、「里山資本主義」の根幹だ。ヒノキや杉の
山に囲まれたこの地区で、誰かが板倉の家を建てるなら手伝いに飛んでいくのだが。

※篆刻「板」は、木に手で斧を当てる形。

『里山資本主義』、感想文。(篆刻:里)

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『里山資本主義』(藻谷浩介・NHK広島取材班)を読んだ。奈良の東部山間で里山に
囲まれているから、里山資本主義がマネー資本主義をくつがえさないまでも、それに
拮抗して成り立つならと読み始めたのだが。オーストリアに取材しての木クズ利用の
大規模な発電・地域暖房とか、CLTという直角に張り合わせた建材での高いビル建築
などは、日本では法律改正や行政の大英断が欠かせない問題で、ひとまず置くとして。

いまも目の前に見える杉やヒノキを植林した山とその持ち主たちについてなら感想は
言える。身近な里山利用法として、近くの山に木の枝数本を毎日拾いに行き、エコ
ストーブなるもので煮炊きする人が紹介されている。材料はオイル缶と煙突、断熱材に
する土壌改良剤などで5,000円以下。作り方は検索ですぐ見つかる。これをプリント
して近所の二人に渡した。ひとりはオール電化なのに「作ってみようか」と言ったが、
いまだ手付かず。もうひとりはヒノキの間伐をして薪を作り、風呂を焚いているけれど
「そんなもん、要らん」で終わった。そういう私も作っていない。なぜか。他人のヒノキの
山でも、枝を拾いに行けばよろこばれるのに。なぜか。エコは理屈です。単に急斜面を
登るのがつらいのです。人間は後戻りできない動物だ、という大きく高い壁が里山資本
主義の前に立ちはだかっています。あまりにも楽観的、それが読後の素直な感想です。

ストレスを友達に。(篆刻:ストレス)

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私たちの若い頃は、プレゼンテーションを略す時、私はプレゼンと言ったがプレテと
言う人もいた。最近はどうやらプレゼンに定着したようで、NHK・Eテレの「スーパー
プレゼンテーション」でもそう言っている。さて、昨夜たまたま見た再放送の話だが。

ケリー・マクゴニカルという健康心理学者は「ストレスは身体に悪い」と教えていたが
それは正しくないことが分かった。前の年多くのストレスを経験した人の死亡リスクは
43%と高いけれど、それはその人がストレスは健康に悪いと思っている場合。多くの
ストレスを経験したが害とは思わない人達の死亡率は上がらず、死亡リスクは最も
低かった。ストレスがあっても、それが自分を勇気づけ、奮い立たせるものと考えれば
人は長生きできるというのだ。もうひとつは、オキシトシンというストレスで分泌される
ホルモンのこと。ハグした時に出るので「抱擁ホルモン」とも呼ばれるが、ストレス反応
で放出されると、人は誰かに助けを求めたくなり、気持ちを打ち明けたくなるという。
体にも作用して心臓の血管を守り、強くする。ストレスを有益と見ることで体は勇気の
状態になり、人の繋がりを求めることで回復力を得ることができる。ストレスは友達だ。

というのが彼女の結論なのだが、私はこう考えた。「やはり、タバコは害だと思いながら
喫うのが、いちばん身体に悪い。“今日も元気だ、タバコが美味い”と思えばいいんだ」

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