2015年6月

形容詞にも、ご用心。(篆刻:形)

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6月5日の毎日新聞に「形容詞にご用心」というコラムがあった。池澤夏樹さんが
20年以上前に原発を見学した時、広報部の文章に「固い」「丈夫な」「がんじょうな」
「厚い」という言葉が並んでいたという。そんな言葉で原発の安全神話が作られた
のだし、安保保障関連法案にも具体性のない形容詞が羅列されていて、また安保
神話を作りたいのではという話で、同感だが。「具体性のない言葉の羅列は読み手
の心理をある方向にもっていこうとする広告のコピーのようなもの。」の一節がある。

私が初めて松下電器の新聞広告のコピーを書いた時、それは事実上の実地試験
だった。「形容詞がまったく無い」ということで合格になり、その後もコピーを書くこと
になった。だから「広告のコピー」の前に「下手な」という形容詞を加えるべきだし、
そもそも広告で形容詞を並べて読者をある方向にもっていくなど、出来る訳がない。

安保法制の話に戻れば、憲法学者3人が口をそろえて憲法違反と断罪したのは
痛快だった。そのなかの一人が「政府は後方支援というが、戦争に後ろも前もない。
そういう言葉遊びは止めていただきたい」と言ったのを聞いて、溜飲が下がった。
かつて「美しい日本」がコンセプトみたいなことを言った総理だから形容詞は当然の
こと、副詞、助詞、名詞だって疑ってかからないと、日本は大変なことになるだろう。

日経、産経、そして毎日。(篆刻:新)

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どんどん新聞の購読者が減り続けている時に、新聞の話など奇妙かもしれないが。
今日、私が読んだ朝刊に安保法案審議に対する各紙の社説の見出しの比較が出て
いた。朝日は「この一線を越えさせるな」「合意なき歴史的転換」、毎日は「大転換
問う徹底議論を」「決めつけ議論をやめよ」、読売は「的確で迅速な危機対処が肝要」
「日米同盟強化へ早期成立を図れ」、日経は「具体例に基づく安保法制の議論を」
「自衛隊の活動領域さらに詰めよ」、産経は「国守れぬ欠陥正すときだ」「日米同盟の
抑止力強化を急げ」、そして東京は「専守防衛の原点に返れ」「平和安全法制の欺瞞」。

それぞれ日付は違うが、安保法案に賛成なのは読売と産経、反対は朝日と東京で、
毎日と日経は急がず議論を尽くせ、と読み取れる。私の新聞は毎日で、これを見て
「毎日に代えたのは正解だった」と思った。日経は私の制作した広告が月に1、2回
載ったので膨大な株式欄に辟易しながらとっていたが、それも卒業したので産経に
代えてみた。これが政府とアメリカべったりで反中、反韓の記事ばかり。2ヶ月足らず
で音をあげて、やっと毎日に落ち着いた。毎日新聞の活字を作った小塚昌彦氏の本
を読み、いつかはと考えていたが、実際にその紙面を見て読みやすさにも納得した。

さて、安保法制には反対の私。新聞を読むだけでは阻止できない。どうしたものか・・・

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