2015年9月

田んぼで、発電。(篆刻:田)

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ここ奈良市の下狭川には、かつて白砂川(水力)発電所があり、明治41年に明治
天皇が奈良に行幸されたとき県公会堂と周辺に送電した。初めて奈良市に電灯が
灯ったのがこの時だという。川添いの崖下には石垣が残り、その施設跡だと分かる。

そして、いま。狭川のあちらこちらで、また発電が始まっている。そう、太陽光発電
パネルが田んぼの中に散見されるのだ。それも狭川地区でいちばん広く、良い稲が
とれるという地域でのこと。おそらく休耕地、耕作放棄地を農地から別の地目に転用
して発電事業者に転売か貸借してのことだと思う。若く元気な子供がいても通勤や
学校のために奈良市内や隣の木津川市に出てしまうことが多い。車で30分ほど
だろうに年2回の田植・稲刈に手伝いに来るのはどれほどか。実家に戻って農業
を継ぐこともないだろう。機械化で高齢でも作業が出来るとはいえ、機械のローンや
肥料購入費用に比べて米の買取り価格は低迷したままだから、農業を続けることの
負担は大きくなるばかり。田んぼだけでなく、京都府との境の東向きの山では森林の
伐採、整地が進んで、大規模な発電施設の建設が始まっている。この西狭川町でも
県道沿いで100坪ほどの空地にもパネルが敷き詰められた。美しいものではない。

自然エネルギー促進の名のもとに、農地が歯抜けのように減り、景観は乱れていく。

ネット社会に、ありがとう。(篆刻:昆)

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誰でもインターネットの検索がスイスイと出来るようになって、一世一代の仕事が
盗作騒ぎになった人もいるけど。ただ庭の雑草、初めて見かけた虫やいただいた
鉢植えの木の名前を知りたいという素朴な欲求には、こんな便利な世の中はない。

私が野の草花の名前を知りたい時は「四季の山野草」で検索する。花の色、花弁
の形や数などを入力すると候補がズラッと並んで、ほとんどは見つかるが。それ
でも見つからなければ、写真を送るとご親切にメールで教えていただける。先日も
ハシカグサを教えていただいた。木の名前は「このきなんのき掲示版」に写真と
質問をのせると、それを見た人から回答がもらえる。さて、虫やチョウなど昆虫は。

「昆虫エクスプローラ」というサイト内の「むし探検広場」に写真を添えて投稿すると
サイト運営者の川邊透さんが答えてくださる。川邊さんは『昆虫探検図鑑1600』と
いう本も出されているけれど、奈良の生駒市にお住まいのようで、ついつい3回も
お世話になった。最初は枝にあったサナギがヒオドシチョウのものと、次は目の
白いセミは菌に犯されたものと、最近は白いスズムシは突然変異では、と教えて
いただいた。さぞお忙しいだろうに、ここでも改めてお礼を申し上げます。ネット社会
に功罪はあるが、その根っこは知的な人々の善意が支えていると、私は信じたい。

 

気功を習うべきか。(篆刻:気)

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新聞広告で『気功治療』(日本AST協会)が目にとまった。気功など忘れていたが、
アマゾンで取寄せてみた。手当という言葉があるから、人は誰でも手などから気を
出せるのだが、私は普通の人より少し強く出せるらしい。体調や気力によって波が
あるが、霊能者という人と手を合わせて「あなたの方が強い」と言われたこともある。

表紙には「手から出る気が血液と骨と細胞を生かす」、「難病をも直すAST気功医術」
とある。現代医学と気功を併せた治療法なので、服薬などの医療と並行することでき、
ガンや狭心症にも効いて、黄色ブドウ球菌さえ消滅させるという。2003年には文科省
から研究費がおり、文科省認定の学会で多くの大学から成果が報告されているという。

誰でも病人の患部に長く手を置けば必ず多少は病気が治るけれど、病人のマイナス
の気が移動するから自己流で真似してはいけない。伝授によって修得すべきだという。
「年齢・性別・経験・知識をいっさい問わず誰にでもできる。最短2年でクリニック開業
レベルを修得できます。研修はわずかに月1回ずつ、今すぐ始められる気功」とある
のだが。この歳になって人の病気の治療など幸不幸に深く関わるなんて荷が重すぎる。

ちなみに「気」の旧字「氣」は食ヘンと氣で米や粟などを贈ること。篆刻を彫る手から石に
気を送りつつ、それを持つ人に幸多かれと願う。それで充分ではないか、と思うのだ。

 

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