2016年9月

我が身を、灯明に。(篆刻:燈明)

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映画が終わって、ほとんどの人が熱く拍手をしたけれど。私は、勇気ある監督を
讃えたかったが、提示された事実が重すぎて拍手できなかった。題名は「ルンタ」。

チベット人の焼身抗議の実相に迫るドキュメンタリー映画で、監督は池谷薫。案内人・
中原一博は自ら建てたルンタハウスで、チベットで拷問を受けた後にインドに逃れた
元政治犯に学習・就労の支援をしている。2009年に焼身抗議が始まると、ブログの
チベットNOW@ルンタ」で焼身者の詳細なリポートを送り続けている。チベット人が
抗議するのは中国の圧政と弾圧で、奪い取られた伝統文化と信仰生活、言語教育
政策、遊牧民の定住化、資源採掘の環境汚染、住民の移動制限など数えきれない。

2016年3月、焼身抗議者は内地(チベット自治区)の144人、外地(インド・ネパール)
の6人で150人を超えた。僧侶、中学生、名前も判らぬ老女・・・ 中国政府は焼身
をテロと呼ぶが、他の誰も傷つけず自らに火を放つ行為はテロではない。しかも、
ほとんどの焼身者は詩のように透明な遺書でも、弾圧者を非難せず、自らを灯明と
することで世界の平和、ダライラマの長寿と帰還を願って死んでいく。この徹底的な
非暴力、圧倒的な不服従の意思を支えるのは、やはり信仰なのか。神の名を借りて
自爆テロを続ける集団の対極にチベット人がいる。「格子なき牢獄」の中になのだが。

※「ルンタ」とは、経文を印刷した魔除けと祈りの旗。中央には「風」「速さ」を象徴する
馬が描かれている。

真冬のダニ。(篆刻:大丈夫)

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まさか真冬にダニがいるとは思わなかったが。去年の12月、剪定したサザンカを
片付けて燃やした夜。風呂で体を洗ったとき、右のくるぶしの少し上で小指の爪の
半分ほどの肉がめくれていた。枝が当たった傷でも痛くないことはある。つまんだら
すぐ剥がれたが、それは血を吸って大きくなったダニだった。真冬の外の仕事だから
ズボン下をはいて、靴下も厚めだったが、どうしてもぐり込んだものか。ティッシュで
くるんで、翌日見れば、まだ生きているから、一応写真を撮ってから殺したのだが。

それから、もう8ヶ月以上。その部分がときどき痒くなる。患部をよけて、周囲を掻く
のだが、だんだん10円玉大になり、500円玉大へと大きくなった。最近は液が浸み
出してベタついたり、それが乾いてパリパリになったりする。9月に入ってもそんな
状態なので、いよいよ皮膚科に行った。先生は「そのダニが翌日も生きていたなら
口が体には残らなかったはず。無理に取ると口の一部が体内に残って、ダニも死ぬ。
患部を見るかぎりは単に湿疹が悪化しただけのようなので、塗り薬で治そう。皮膚が
正常になったら改めて検査する」という。処方されたステロイドは市販のものより少し
強いようで、塗って絆創膏を貼ったら、痒みもなく、皮膚も回復しつつある。大丈夫か
とも思うのだけれど、8ヶ月も痒みが続いたのは尋常ではない。やはりダニ恐るべし。

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