京都大学化学研究所の柘植知彦さんが娘さんとお越しになって、
「柘植」をご注文になりました。
「生まれて初めて作製していただいた篆刻を包む封書が届き、
訪問時に同行した娘とともに、緊張と興奮をもって紐解きました。
袋に込められた香りに、はやる鼓動をおさえ、お手紙、篆刻を拝見して
ふたり顔を見合わせて一言「すごい！」。自分の中の何かが揺さぶられました。
お話ししている時は、どことなく「まるみ」をイメージしていたのですが、
まず目に飛び込んでくる直線的な世界にひき込まれました。
そして細部に目をやると、
器や目の象徴的で曲線的なユニークなデザインのバランスがすっかり気に入りました。
独創的な思考を求められる生業をしている日々のなか、
ひとが予想予測している常識をいかに心地よく裏切るかに努めてきました。
今回の篆刻には、まさにその部分を感じて、わくわくいたしました。
人生の節目を感じるときに、縁あって田中さんに惹き寄せられて生まれたこの篆刻。
製作の面談を通じて学んだ名字の漢字に託された不思議な力の発見。
新たな見方と世界観で自分の名とつきあう扉が開きました。
どんどん使い込んで、人生を楽しんでゆきたいと思います。ありがとうございます。」と
お言葉をいただきました。
