2013年4月

人は、死ぬか。(篆刻:死)

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愛と平和の後は、死について。『人は死なない』(矢作直樹著・バジリコ)は新聞の
広告で何回か見て気になっていたのだが、とうとう取寄せた。矢作さんは東大の
医学部救急医学の教授で、附属病院の救急部・集中医療部部長。救急の現場で
生と死を通して生命の神秘に触れ、医学の常識で説明のつかないことを経験する。
生命の有り様、宇宙の原理、森羅万象の完璧さは科学的論理や善悪の倫理を
超えた「摂理」の業としか思えない。その摂理の存在を感受できるのは人間だけ。

風呂の中で孤独死した母と、ある人を介して会話した経験もある。肉親を亡くしても
霊魂や死後の世界を認めない自分と、亡くなった人の霊魂が自分を見守ってくれて
いるのではないかと直感的に感じている自分がいることを知る。科学の領域と次元の
異なる霊的体験を科学的に証明する必要はないと考える。霊的現象それ自体には
意味がなく、その見聞や体験からの啓示、導かれる理念、真理こそが本質なのだと。

人の一生には寿命の長短、背負う荷物の軽重がある。しかし我々の人生の旅は
死後も続く、摂理の意志は悠久の生の中で折り合いがつくよう働いていると考えれば
現世での苦しみや悲しみが多少とも癒されるのではないかと考える。子どもを亡くし
多少の霊的な体験をした私も「人は死なない」と考えることができる。さて、あなたは。

愛と、和。(篆刻:愛と和)

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ホームページの問合せメールが来たのは、去年も押し詰まった26日だった。京都の
会社からで「商品ラベルに押す印」の相談。いつものように電話で直接詳しい話を
お聞きした。日本には次代に引き継ぎたい伝統食があるが、それさえも時代の流れの
なかで「伝統的な食品」に似せた、中身のない、命を養う力のない食材にならざるを
えないのが現実。昔からの製法、農法を守り、真っ正直にものづくりする人々の協力で
「本来の日本食の良さ」と「移りゆく美しい国、日本の素晴らしさ」を心と身体の内側から
感じられる商品を提供し、食を通じて『天与の愛と、内なる平安』をつくりたい、という。

商品数は数百点になるが、ラベルデザインは桜模様に統一し、ブランド・コンセプトの
篆刻を入れたい。「愛と平安」「愛と平和」「愛と和」などの文字で美しく、かつ遊び心も
出せるものをというご希望だった。「愛」と「和」を朱文に、「と」を間に白文で入れては
との提案を受け入れていただき、年明け早々に初荷で2案のデザインをお送りした。

最終的に、現代漢字に隷書の雰囲気を加味して、優しさと志の高さを調和させられたと
満足しているのだが。昨日4月10日、いよいよ新しいナチュラルフード&セルフケアの
ブランド《プレマシャンティ》
が誕生、インターネットでの販売を開始した。早速、塩などを
注文させていただいたが。篆刻の入ったラベルが楽しみ。その味も、またまた楽しみ。

続・変哲半生記。(篆刻:哲)

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さて、小沢昭一『俳句で綴る 変哲半生記』と楽篆堂の合わせ鏡の続編。毎年では
お退屈でしょうから、かいつまんで。やっと剣道初段になった昭和58年「ぬくき夜は
素足で下駄でポストまで」 新しい広告プロダクションの共同経営を始めた58年は
「行く先のあるらしき空赤とんぼ」 剣道二段の平成元年「年齢(とし)で知ることの
多きよ夏野行く」 過労と共同経営のストレスで鬱病になった3年には「病みし子へ
鴨居にさした風車」 鬱病が治り、父が亡くなった4年「信心のうすき身なれどよき
彼岸」 (有)ハイエスト・ハイをスタートした5年は横浜から奈良に来て15年目で
「横浜の坂やまもなくクリスマス」 阪神淡路大地震の句が見当たらない7年には
「駅裏に春一番の破れ傘」 長男・遊が亡くなった11年12月には「法事なる末席に
いて隙間風」 次男に初孫が生まれた13年は「雨だとよはずしておけよ鯉のぼり」

東京神田神保町に事務所を開いた14年「書肆(しょし)ごとのにほひ神保町の夏」
逗子から奈良に戻ってSOHOにした15年「春寒や不義理出不精人嫌い」 篆刻の
HPとブログを始め、還暦を迎えた18年「秋雨に生きている人逝きし人」 仙台で
桜の頃母が亡くなった20年「親鳴くや巣より落ちたる雀の子」・・・と、約4千句は
24年7月で終わり12月10日没、句集発行は12月20日。お見事、あっ晴れ!!

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