
2月の始め。朝の歯磨きでのこと。フィリップスのソニッケアという電動歯ブラシの
スイッチを押したのに、振動が止まらない。こういう電気系ってやつは、
目に見えないから、一瞬軽いパニックになる。スイッチのある本体と
磁石の入ったブラシ部分を離しても、本体でまだかすかな電気音が聞こえる。
その状態で何回かスイッチを押し続けたら、やっと止まった。歯ブラシの反乱か。
その日、奈良に用事があって、クルマで出かけた。奈良の市内に入る手前で
タバコを吸ったから、窓を全開にしてから閉めようとしたら、窓が閉まらない。
何度やっても、ガラスが上がらず、下から1/3ほどで止まってしまう。
今度は電動ウインドウの反乱だ。寒いのに、窓を開けたまま用事を済ませて、
ホンダに行った。窓枠のゴムかゴミにセンサーが反応した、とういうのだが。
夕方、家に帰っても、体が芯から冷えている。食前に焼酎のお湯割りを飲んで、
食後は堀ゴタツに首までめり込んだけれど、体が温まらずに、風邪をひいた。
相次ぐ電動歯ブラシと電動ウインドウの乱調。ここ2、3年ひいた覚えのない風邪。
それらの原因は、この日の自分の気の乱れだと、私は確信している。
篆刻は、「気」。人間の気は、電気にも磁気にも影響を与えられると、信じている。