2007年10月

寝る、ぎゃーてい。(篆刻:羯諦)

28日の日曜。東京は、台風一過の晴天で汗ばむほど。お堀端の出光美術館で 最終日の仙展を観た。遺愛のそら豆形「仙」朱文印が展示されていて、 それは鈕(ちゅう、印のつまみ)が象の可愛い銅の鋳印だった。この印は、 よほどお…

常という、布。(篆刻:常)

注文の個人印が出来上がった時、印存(為書き)にその文字の意味を書いて お渡しするのだが。そのままでは書きにくい漢字がある、という話を以前にした。 たとえば「幸」。白川静先生の『字統』には、元は拷問の手かせの形だとある。 …

自らを、慎む。(篆刻:秋霜自慎)

この地区の駐在さんは、真面目だ。昨今は飲酒運転が厳しいので、奈良で 酒を飲む時は、バスに乗って出る人も多い。家がバス停から遠ければ、 車で県道まで出る。飲んだ帰り、タクシーで自分の車のところまで戻って、 さあ乗ろうとする…

心、常ならず。(篆刻:無常)

東京の大学時代の友人Mからメールが来た。『ヨガの境地を極め、仏教の境地を 極め、それを歌にすると「ローハイド」です。何といっても「ローリンローリンローリン」、 そして「ムーヴィンムーヴィンムーヴィン」なのですから。「諸行…

香る、庭。(篆刻:香)

いくら鼻の利かない私でも、いま庭に出れば金木犀(きんもくせい)の芳香に 包まれる。朝夕が冷え込んで、さあ本格的な秋になる、という香りのシグナルで、 四季の節目ならではの至福。これを都会の子どもが「トイレの香り」と 覚え込…

頼らず、助け合う。(篆刻:不頼互助)

私が昔、はじめてM電器の広告コピーを書いて、まがりなりにも合格になったのは、 形容詞が少ないからだった。抽象的な形容詞の多用は、読む者を混乱させる。 安倍さんが「美しい国」をスローガンにして、広報のプロが補佐官なのにと …
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