心、常ならず。(篆刻:無常)

無常
東京の大学時代の友人Mからメールが来た。『ヨガの境地を極め、仏教の境地を 極め、それを歌にすると「ローハイド」です。何といっても「ローリンローリンローリン」、 そして「ムーヴィンムーヴィンムーヴィン」なのですから。「諸行無常」のイメージは だいたいこんなものです。ヒンドゥーの神様ナタラージャは変化変動の中を 踊り進みます。「マイ・スウィート・ロード」など「ローハイド」の足元にも及びません。』 うーん、これはハイだな、と思っての返事。『とうとうヨガも仏教も極めましたか。 あなたなら何時かは、と思っていましたが。』 『失礼、極めてはいませんでした。 僕は30才から10年間、インドの先生についてヨガの練習をしました。それ関係の 本も随分読みました。神秘体験も少しはしましたが、インドへ行ったときに老師に それを話すと、「それは心のマジックで、ヨガの境地とは無関係」と却下されました。 あるとき道場で、何分の1秒か、「これだ」という経験はしました。フランキー・レインの 「OK牧場の決闘」は好きですが「ローハイド」はちゃらちゃらした感じで好きでは なかったのに、今年の8月に急に好きになりました。そして先週、ハタと膝を打ち、 そして喜びのあまりメールを送ってしまったわけです。』 篆刻は、「無常」。高揚も、 いつか沈静する。狂喜も悲惨も常態たりえない。禅ではポジティブな言葉とされる。
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