玄侑宗久さんの『アミターバ 無量光明』を読み直した。玄侑さんの奥さんの お母さんの死を核にして、宗教学のカール・ベッカー氏と物理工学の古澤明氏の 研究成果に示唆されて、形になった小説だと記している。玄侑さんは、仏教の 地…
2008年06月
畑で、ボチボチ。(篆刻:ボチボチ)
猫の額のような畑に植えた3本のキュウリが、1日2、3本ずつ生りはじめた。 トマトも、うっすら赤くなりはじめた。ナスは、やっとプルーン程度になったが、 虫に食われながらも、大きくなろうとする意思は見える。今年は気まぐれにだ…
生命の、格差。(篆刻:生命)
毎年のことだが、卵を産んだ親ツバメは、いつも留守がちで、雛がかえるのかと 心配になる。が、縁側にきれいに割られた卵の殻が落ちると、心を入れ替えたように 熱心に餌を運びはじめる。親が餌をやるは、ほんの一瞬のことだから、 要…
誰かのための、本。(篆刻:我為人々)
田辺聖子の本、それもハイ・ミスが妻も子もある男と、滑った転んだという話。 そのラストで、不覚にも涙ぐんでしまった。久しぶりに新地(の隅)で飲んでの帰り。 地下鉄西梅田駅の不要な本を持ち寄っての「リサイクル文庫」で、借りた…
兎のように、走る。(篆刻:兎走)
篆刻は、「烏飛」と対の「兎走」。続く話は、またたく間の35年前。マクドナルドの 新しい広告部長が、私に言った。「これまでのCMは一切忘れて、人が感動する 企画を考えてください」 「流すCMは何本も商品篇があるから、いい案…
赤い鶴は、消えたが。(篆刻:烏飛)
私の生まれは、横浜市鶴見区。昔は、湿地帯で鶴が群れていたのだそうだが。 日本航空のマークの鶴の話。コピーライターになって2、3年後のことだった。 若手たちはこぞって広告賞に応募したものだ。同じ三菱銀行担当チームの Kさん…