出野正・張莉ご夫妻から共著『倭人とはなにか―漢字から読み解く日本人の源流―』 (明石書店)を送っていただいたので、楽しい読書納めになった。「倭人」のルーツは 中国・長江の中下流の南側、滅亡した越の従順な民族で、ベトナムや…
古代史
10:甲骨文を知らなかった篆刻家たち。
「写真:亀甲(部分)」 今回は篆書体の話ですが、中国の篆刻家にも関わることなので興味のない方はスルーしてください。 さて、写真は亀の腹甲に刻まれた文字で、3200年ほど前、古代中国・殷の王が天の啓示を占った記録。牛の肩…
金印「親魏倭王」の謎。(印影:親魏倭王)
張莉さんは金印「漢委奴国王」の真贋を論じてはいないが、『魏志』倭人伝によれば 卑弥呼も金印紫綬を受けている。それに刻まれた文字は「親魏倭王」と推測されるが、 金印そのものは、いまだ未発見のまま。だが「親魏倭王」の印影は存…
張莉さんの『「倭」「倭人」について』。その3 (写真:「漢委奴国王」印面)
張莉(ちょうり)さんの論文『「倭」「倭人」について』の続き。さらに「邪馬臺國」の臺は 「堆」に通じるので台地にある国を示し、「その地勢は東高西低」の記述からは西に海、 東に山のある地形であり、北九州の伊都に接していたとあ…
張莉さんの『「倭」「倭人」について』。その2 (写真:「漢委奴国王」蛇紐)
張莉(ちょうり)さんの論文『「倭」「倭人」について』の続き。金印「漢委奴国王」の「委 (ゐ)」は蛇のうごめく形から生まれた文字で、委曲、うねうねと曲がる様を意味する。 中国南方や日本の倭人は蛇の入れ墨でその生命力を最大限…
張莉さんの『「倭」「倭人」について』。(印影:金印「漢委奴国王」)
奈良の出野正さんは正統の篆刻をされるが、去年春の三游会で私の篆刻を見て、 「知らず知らずに固定観念が出来ていた」と思われたそうで、今回も若い篆刻作家と 来てくださり、楽しい話ができた。出野さんの奥さんは張莉(ちょうり)さ…