私が生まれて19歳までいた鶴見の家は、京浜第二国道の「めがね橋」に近かった。 フランク永井さんが、「夜霧の第二国道」という歌は、羽田空港に向かう車から その橋を見て着想したと話すのを、ラジオで聞いた。私にとっては、ご当地…
2006年11月
消えた大金は、無駄か。(篆刻:無駄)
私の父は、しがない家具職人ではあったが。しかし、終戦直後はこれが身を助けた。 木を削って、小さな下駄やポックリを作る。鼻緒は母の襦袢をつぶして作る。 これが、進駐軍のGIによろこばれた。母の田舎からは、米や小豆(あずき)…
ゆえに、我あり。(篆刻:我)
先週の土曜日で、あのNHKの「チャングム」が終わってしまった。 もう3回目だかの再放送らしいが、途中から見て、夫婦ともども、すっかりはまった。 日本人が忘れている何かを良きものとして思い出させる「韓流」に、はまった。 最…
日本が、ガタピシしてる。(篆刻:我他彼此)
日本のあっちこっちが、ガタピシしている。・・・と書き始めて、その後が続かない。 ただ考え込んでいてもラチがあかないから、とりあえず、篆刻の「我他彼此」。 自分と他人、彼岸の彼である向こうとこちら。自他の差別や対立をいう仏…
砂の味は、かんばしくない。(篆刻:芳)
大学の試験の話になったついでに・・・。風邪で試験場を間違えなければ、 試験なんて簡単でしたよ。(いまだにAからZまで言えないフランス語を除けば) 生物の場合は、ノート持込み禁止。でも平気、問題は事前に教えてくれるから。 …
忘れたいけど、忘れられない。(篆刻:忘)
白川静先生が、大学紛争のときに、「何人たりとも私の学問を阻む権利はない」と、 ピケを物ともせず、自らの研究室に通い続けたのは、有名な話だが。 こっちは、私の大学での粗末なお話。4年後期の試験、世界経済史。ノート持込み可。…
眞人を、悼む。(篆刻:眞)
白川静先生が亡くなってしまった。平凡社の『字統』、1994年3月10日初版第一刷。 これは、私にとって単なる書物文献ではない。私はどんな漢字を彫るときも、 必ずその項を読んで、その文字の起源と生い立ち、変遷を心に叩き込む…
夜が、暗くした。(篆刻:夜)
篆刻は「夜」。人が横になっている大と月だから、人々がすべて休息する時なのだが、 夜になっても祭事にいそしむこと、ともいう。さて、広告研究会のキャンプストア。 その合宿所になっているお寺には、階段の上にお堂があった。お金を…
それは、朝のぬかるみだった。(篆刻:朝)
篆刻は「朝」。草の間に日が現れ、なお月が残るという風景画のような漢字。 月の部分が水の文字もあり、こちらは海の満潮、汐は干潮を意味するらしい。 ・・・という前振りで、千葉の勝山海岸での海の喫茶店・キャンプストアの続きです…