それは、朝のぬかるみだった。(篆刻:朝)

朝
篆刻は「朝」。草の間に日が現れ、なお月が残るという風景画のような漢字。 月の部分が水の文字もあり、こちらは海の満潮、汐は干潮を意味するらしい。 ・・・という前振りで、千葉の勝山海岸での海の喫茶店・キャンプストアの続きです。 広研の夏の合宿だから、お寺のおんぼろ離れが常宿。台所付きの大部屋ひとつ。 女子部員もいたけど、いっしょにザコ寝でもないないだろうし。記憶はおぼろ。 朝は起床後、すぐに全員で海岸までランニング、店の前で体操。走って帰り、洗面。 そこで事件が起きた。女子部員のYさんが、皆が洗面する井戸のぬかるみに コンタクトレンズを落とした、という。手の空いた者が総出で探したのだけれど、 なにせ泥水のなか。仕方がない、あきらめて食事にしよう、ということになったが。 男子部員の先輩Nさんが探し続けた。食事もせずにか、食事後か。記憶不確か。 しかし、Nさんが探し続けたことは事実。そして、ついに見つけたのですよ、レンズを。 もう昼に近かったと思うのだけど、キャンプストアは半休したのかな。記憶、なし。 NさんとYさんは同学年、同学部だったから、それを機に親密になったのは、 しごく当然。卒業後、何年もたたずに結婚されたという話を聞いたのも、確か。 朝のぬかるみから始まったおふたりの道程が、ぬかるまず平坦であることを、祈る。
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