映画が終わって、ほとんどの人が熱く拍手をしたけれど。私は、勇気ある監督を 讃えたかったが、提示された事実が重すぎて拍手できなかった。題名は「ルンタ」。 チベット人の焼身抗議の実相に迫るドキュメンタリー映画で、監督は池谷薫…
宗教
タモリに、教わる。(篆刻:春日)
奈良の東向商店街は近鉄奈良駅から南に下っているのだが、それがなぜ東向きと いうのかをNHKの「ブラタモリ」で教えてもらった。通りの東側は昔の断層で生まれた 崖で、その上は興福寺。興福寺にお尻を向ける訳にはいかないから、店…
お地蔵さんを下ろす。(篆刻:地蔵)
我が西狭川町の北西の山の中に薬師堂という祠(ほこら)があり、ジョーセン地蔵が 祀られている。この地域の新西国三十三所のひとつで、ジョーセンとはお菓子の飴。 子どもの吹き出ものには「ありがたや薬師堂地蔵菩薩救いの誓いあらた…
写経は信仰、ではない。(篆刻:抜苦与楽)
奈良・薬師寺の入口には「与楽門」と石に刻まれている。1939年から30年間ここの 住職・法相宗管長を務めた高田凝胤(ぎょういん)師の話(※)を読んで、びっくりした。 師は平安から明治以降の近代仏教までをニセモノとして、日…
3:お行儀ばかりが、良くっても。
「拈華微笑(50×50ミリ)」 お盆には少し早いけれど、篆刻は「拈華微笑(ねんげみしょう)」。釈迦が霊鷲山(りょうじゅせん)で説法した時、蓮の花を聴衆に拈(つま)んで示したら摩訶迦葉(まかかしょう)だけがそ…
祈る、暦。(篆刻:祈)
瀬戸内寂聴さんの日めくり暦が終わった。あの高い声は苦手なのだが、遊が 亡くなった後はカミサンが説教CDで慰められたり勇気づけられたりした。その 日めくり暦が届いて、毎日説教くさいのは嫌だと思ったが、日々読み慣れてきて、 …
三蔵法師の、声。(写真:薬師寺・花展ポスター)
カミサンが主宰する「野の花と遊ぶ 花の会」が、薬師寺玄奘三蔵院で花展を させていただいた。4月6日から13日まで、雨あり風ありの長丁場だったが、 無事に終わることができたのは三蔵法師さまが守ってくださったからだと思う。 …
東へ、帰らず。(篆刻:不東)
久しぶりに薬師寺で般若心経の写経をした。この8月15日の終戦記念日に、 家で写経した1巻をまず納めて。それから、お写経道場でカミサンと孫も一緒に 2巻、これでちょうど100巻目。「薬師寺伽藍復興 写経勧進納経集印帳」は …
足るを、知る。(篆刻:知足)
以前、新聞で読んだときは、あまりの貧しさからの苦しまぎれかなと思ったが、 どうもそんな次元のことではないらしい。ブータンという国のGNPならぬGNHは、 グロス・ナショナル・ハピネス。国力を国民の幸福の総量で表す、という…
陽炎と、送り火。(篆刻:遊糸)
あまりの暑さに、そうそう「遊糸(ゆうし)」の篆刻があったと、取り出したのだけれど。 遊糸は陽炎(かげろう)のことで、糸遊(いとゆう)ともいうが、季語としては春。 なるほど、春の急に強くなった陽射しに暖冷の空気の流れから起…