2009年07月

真実、らしさ。(篆刻:眞)

もう30年も昔のことだから、時効なのだろうが。新幹線においてある雑誌だと 思うが、伊集院静のどこかの紀行文があった。足元に菱の実を見つけて 「周りを見回したが、菱の木はどこにもなかった」と書いてあった。菱は水草、 それも…

緑の、ため息。(篆彩:緑)

窓の外は、一面の緑。万緑の候、という時候の挨拶があったはずと、広辞苑で 「まんりょく」を引いたのだが、ない。それもそのはず、「ばんりょく」であった。 見渡す限りの緑のことで、草田男の「-の中や吾子の歯生えそむる」の句があ…

大仏の、一歩。(篆刻:太)

新型インフルエンザの感染者が奈良県にはいつまでも出なかった、あの頃。 良いことだけれど、奈良が近畿圏で人の交流もない僻地のような感じで、 妙な気分だった。しかし、きのうの奈良市長選挙で、まったくの無名の新人 仲川げん(本…

猿登り、人落ちる。(篆刻:登)

まったく猿には腹が立つ。せっかく赤く実りだしたヤマモモにファミリーが襲来する。 道沿いにトタン屋根があって、その横に実がなっているのだから、採ってください というようなものだが。トタンの上をドタドタ歩く。猿同士でいさかい…
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