猿登り、人落ちる。(篆刻:登)

登 まったく猿には腹が立つ。せっかく赤く実りだしたヤマモモにファミリーが襲来する。 道沿いにトタン屋根があって、その横に実がなっているのだから、採ってください というようなものだが。トタンの上をドタドタ歩く。猿同士でいさかいをして鳴き叫ぶ。 ヤマモモの枝はもろいから、ボキボキと折れる。BB弾のピストルを撃っても、 いっとき山に逃げ込むが、またすぐ戻って乱暴狼藉。糞の置き土産まである。 今年は桃がたわわに実った。傷んだのを棒で落として、残したのが熟したら さぞウマかろうと楽しみにしていたのに。今朝、木の下はかじった実が無数に 落ちている。見上げれば、実はゼロ。市の農林課でもらったロケット花火で 脅した。当分来ないだろうと思ったが、いま、もうトタンの上でゴトゴトやっている。 さて、私は。土曜日、後ろ向きに草刈をしていたら、仰向けに崖の下に落ちた。 日曜の夜は、公民館に原付バイクで行ったら、登り坂でガス欠、急に失速して 草むらに落ちた。猿が木から落ちることは、まず無い。落ちるのは、人なのだ。 篆刻は、私も初心者の頃、こんなのを彫っていたという「登」。恥をしのんで お見せするが、どれほど進歩したのか、していないのか。反省だけなら猿でも できるし、反省はいつでもできるから、いまはロケット花火をぶっ放しに行こう。
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