
新型インフルエンザの感染者が奈良県にはいつまでも出なかった、あの頃。
良いことだけれど、奈良が近畿圏で人の交流もない僻地のような感じで、
妙な気分だった。しかし、きのうの奈良市長選挙で、まったくの無名の新人
仲川げん(本名元庸)氏が保守系の元市長・国会議員鍵田忠兵衛氏を破って
当選した。奈良も捨てたものじゃない、奈良から新しい風が吹く、かもしれない。
鍵田氏は市長の時、いくつかの問題があったのに辞任せず、議会を解散した。
その鍵田氏を破って当選した前市長は任期満了だが、たった1期だけ。
遷都1300年祭を来年に控えて、ホテル誘致に失敗したのが続投断念の理由、
という情けない話。その後、鍵田氏は郵政選挙で国会に滑り込んだのに、
今度の衆院選は自民不利と見て、またぞろ市長返り咲きを狙ったのだが。
奈良市民も、それを許すほど甘くはなかった。仲川新市長は、33歳の若さで
政治の経験ゼロ。それでも、それに賭けなければならいほど、奈良市は
追い込まれている。で、篆刻は、「太」。別ブログ「百野草荘 花だより」の
ペンネーム・太郎用にちょこちょこと彫ったものだが。太の点が、座ったままだった
大仏がやっと歩き始めた、その記念すべき足跡に見えないこともない。