難題に、燃える。(篆刻:猫的のぶ)

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今年の篆刻初彫りは「打ち上げ花火と名前」だった。三河の花火の伝統を引き継ぎ
つつ革新する方が、色紙に文字を書くので落款用にというご依頼。お気に入り花火の
写真を送っていただき特長を出したのだが。ご希望の2センチ角では無理なので、
色紙には大き目の3センチ角にさせていただいた。それでも線は0.1ミリほどだった。

年明け初の注文は学校の先生から。猫に似ていると生徒に言われるので、名前の
「のぶ」と猫の要素を自然石で、というご依頼。電話では「猫の形の中に、ひらがな
でも」と言ってくださったが、それでは安直すぎる。猫の姿態は毎日見慣れたものだ。
ふは曲線の文字だから猫っぽくなるし、ぶの点も耳になる、と出来上がったのがこれ。

いま彫りかけの住所印が終わったら、次も漢字のフルネームに弓の要素を加える
もので、学校の先生で弓道部の顧問をされている息子さんにお母さんが贈る篆刻。
なぜか最近は単なる文字だけでなく、「重」を五輪塔風にとか、ダルマさん型にフル
ネームをなどと応用問題が増えている。イラストに文字を添えるなら簡単なのだけど、
あくまでも文字が優先で、絵的な要素は文字を引き立てるようするのが楽篆堂の
ポリシーだから、脳ミソもその分余計に汗をかくことになる。最初はどうしたものかと
唸るけれど、道はかならずある。さあ、今年はどんな難題をいただけるか、楽しみ!

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