
篆刻は、「有志在形」。NHKで女優の佐久間良子さんが座右の銘と話していて、
いい言葉だなぁ、と彫ったもの。映画監督が演技の心得として使うことが多いようで、
まず役の心に成り切る。そうすれば、おのずと表情、仕草が生まれてくる、という
意味なのだという。形から入るな、という戒めでもあるだろう。演技ばかりでなく、
すべてに通じるのではないだろうか。まずは、心から、志から、なのだ。
奈良・学園前の「ギャラリー藍倉」さんから、何度も個展の誘いをいただいていた。
奈良では3年に2回、野の花と遊ぶ「花の会」との共同展をしているので、とご辞退し
続けていたが。とうとう、この11月1日から8日まで、旧作に新作少し約50点を
展示し、前半3日は、お名前のかな一文字を彫る篆刻ワークショップも試みた。
それに、メールでのお申し込みがあって、聞けばホームページを通じてだという。
和紙の染色をされているOさん。「篆刻」でいろいろ検索し続けて、私の篆刻に
出会い、このブログのファンにもなってくださったとか。どこのどなたが見ているか、
雲をつかむようなホームページ、そしてブログなのだが。それでも、こうして確かに
つながっているという実感があった。心あれば、志あれば、結果はいつか必ず
こうして形になって現われる、という私の「有志在形」。まず心、そして志の持続。