『都会を滅ぼせ』は、正しい。(篆刻:滅)

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毎日新聞で倉本聰さんがコラムの最終回で『都市を滅ぼせ』(中島正著・双葉社)
を日本人必読の書と言っていたので、読んでみた。以下、順不同で抜粋する。

「都市を滅ぼさないと人類が滅ぶ。都市はあらゆる公害の元凶で、諸悪の根源」 
これが前文。「どんな田舎も二次・三次産業があり、その従事者が住んでいれば、
そこは都市」「近代化は都市化であり、便利、贅沢、安逸の追求、繁栄への進歩」 
「都市は貨幣経済の魔力で拡大する」「都市は活動のため森林、農地、農業人口、
農産物、海岸、水産資源、エネルギー・金属資源、酸素・水、電源、水源を収奪し
破壊する」「収奪して使用の後、二酸化炭素、排ガスとなり、オゾン層を破壊し、
汚排水とゴミを出し、それでも商品は氾濫し、過剰サービスを生み、ついに戦争の
元凶となる」 では、真の革命は。「都市の解体=不耕貪食の解消」しかないという。

都市を滅ぼす方法は安藤昌益の「万人直耕」、福岡正信の「国民皆農」だが、彼は
搾取機構の国家を認めないので「民族皆農」、大自然の掟だけを唯一の規範とした
縄文時代のごとき自然循環型有機農業だという。農具は野鍛冶による鎌一本だけ、
自給自足の耐乏型孤高の人間が世に満ちれば革命は成立する。「人々よ、都市
は滅ぶとも人類は滅ぼしてはならない」という主張は、すべて正論で反論できない。

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