裁判員制度と、死刑。(篆刻:死)

死 幸か不幸か、私にもカミサンにも裁判員候補者になった通知は来なかった。 身近にも、そんな話はないが、いつまた候補者にならないとも限らないから。 先週末のNHKスペシャル「あなたは死刑を言い渡せますか?」という、 裁判員制度の模擬裁判とそれをめぐる討論を、かなり真面目に、真剣に見た。 裁判員制度へのいくつもの疑問が生まれたが、それ以上に死刑制度そのものに 素朴な疑問が大きくふくらんだ。「人は他人を殺してはいけないのに、人である 裁判官や裁判員は、死刑と断を下し、間接的に人を殺していいのか?」 私の意見は、こうだ。「明らかな殺意をもって人を殺したならば、極刑にすべき。 ただ、その極刑は人の命を奪う死刑ではなく、また平均30年超で仮釈放される 現在の無期懲役でもなく、終身刑にすべき」なのだが。 この説は、超党派の国会議員による死刑廃止の運動と同じらしい。 それに対して、法務当局は「終身刑は、生きる希望のない収監者を生み出す だけの厳罰化だと、受け入れない」姿勢だ、という。死刑にはせず、 生き続けることができる終身刑が、なぜ厳罰化なのか。私には理解できない。 篆刻は、金文の「死」。風化させた残骨にひざまずいて拝む人の形。
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