篆刻は、「法」。正字は表示できないし、表示しても画数が多く、つぶれる
だろうが。神に審判を仰ぐため差し出された羊と、水と去。去は、敗れた者の
正面形・大と、神への盟約の器「サイ」の蓋の無い形。神盟に虚偽があったと、
蓋を取り去り破棄されるが、神をあざむいた敗訴者とその羊も一緒に、
水に投棄され、遠くに流される。古代の裁判と刑罰をいまに伝える文字なのだ。
さて、裁判員制度だが、最高裁発行の『裁判員制度 ナビゲーション』という
冊子には、「国民が刑事裁判に参加することで、裁判の内容や手続きに国民の
良識が反映され、司法への国民の理解が深まり、信頼が高まると期待されて
います。」 また「6人の国民のさまざまな視点が審理に反映され、裁判の内容も、
より多角的で深みのあるものになると期待されます。」とも書かれている。
そうか、従来の裁判には、国民の良識が反映されていなかった。国民の
さまざまな視点が欠落して、浅い内容だったのかと、つい思ってしまった。
それならば良識を反映すべく裁判官を教育するのが先ではないか。それに、
裁判所以上に良識を欠くのは国会だから、国民から無作為に選ぶ、裁判員ならぬ
「国会員」を採決のたびに参加させなきゃと、迷える老羊は考えたのだった。
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法という、文字。(篆刻:法)
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