あいている、ローソン。(篆刻:明)

明 いよいよ、コンビニの売上げが百貨店のそれを追い抜くのは確実なようだ。 大丸神戸店の広告に多少なりとも関わった以上、流通の栄枯盛衰には 感慨深いが、ローソンの最初のCMは、テレビもラジオも私の仕事だった。 1979年と思うが、「あいてます、あなたのローソン。」のサウンドロゴもそうだ。 私の原案は「あいてます、ローソン。」で、中内功社長が「あなたの」を加えた。 CM撮影なら最新の店舗で、と東京まで行ったが、その頃の店舗は正面の 半分以上がレンガの壁だった。それもそのはずで、ローソンの原型は、 マークが牛乳容器だから、アメリカの北東部オハイオ州の牛乳販売店。 寒さ対策優先型なのだ。店内は暗いし、客も入りづらかった。現在のように、 ほぼ全面がガラス張りになるには、何回もの試行錯誤があったようだ。 篆刻は「明」。月とその光が差込む窓で、陶芸家・佐野明子さんの注文印を お借りした。21世紀の日本では、深夜でも月以上に明るいのが、コンビニ。 24時間営業の是非で、環境派の行政とコンビニ業界の論争が続いているが。 ビルの谷間で月も見えない都心店はともかく、地方店は店主の不眠不休で、 かろうじて深夜もあいている。そんなコンビニの将来は明るいのか、どうか。
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