
三六〇度回転する軸を持て。尊敬は学びの機会を奪う。よいことにとらわれると
悪を生む。他人事は自分事である。嫌なものも自分を通してみる。過度な健康
志向は病である。安全な社会は生き方を弱くする。多様性を求めるとキャパも
広がる。●第五章 「計算しない」から、負けない。・・・計算しないほうが勝つ。
テクニックだけだと行き詰る。出せば出すほど湧いてくる。聞くことで相手が見えて
くる。運を意識するヒトに運はこない。休むも働きの一つ。集中は丸く広げていく。
育てないから上手くいく。文明の刺激は感覚をおかしくする。
以上は、『努力しない生き方』桜井章一著(集英社新書)の目次を書き出したもの。
彼は、麻雀の裏プロで代打ちとして20年間無敗の伝説を持つ男。私としては、
そのすべてにうなずいた。ひとつの反論もない。たとえば、こんな一節がある。
壁を越えようとするから無理が出る。まず壁に乗れ。勇気を出して乗れば、壁は
壁でなく細い道になる。そこでまず一息つくことだ。なるほど、それなら出来そうだ。
ただ、彼は「頑張れば柔らかさを失う」の中で、麻雀の牌を柔らかく打て、という。
牌と体を一体にさせた感覚で下腹から柔らかくする、とある。「する」の後には
「・・・・・・」がついている。これは、やはりイチローや武蔵の極意の領域ですよ。