ハナタレという飛びっきり強い焼酎で酔眼朦朧だった。しかも途中で寝てしまった
のだから、あれこれ文句をいうのもおこがましいが。その朦と朧のまん中でも、
あの北京五輪の開会式が常軌を逸しているという、私の感覚は間違っていない
と思うのだが。あれでは、人間が万里の長城の一塊のレンガのようではないか。
世界に発信するための画像の、たったひとつの画素にしか過ぎないではないか。
あの開会式は、ある意味で完璧、圧倒的だったから、世界の評価は総じて高かった
らしいが。あちこちでほころびも出てきた。鳥の巣に向かう巨人の足跡のような
花火が、実はCGだったとか。革命歌を歌った可愛い少女が、他の少女の歌の
口パクだったとか。それでも、音楽監督は「国家のためだ」と居直っているとか。
すべての種目が、いまいちの日本チームが、かえって人間的でノーマルに見える。
篆刻は、昔の習作「人々我為」。「我為人々」との対で、”One for All, All for One”と
意味は同じだというが。チベット、新疆ウイグル、四川省の地震の報道を見る
かぎりでは・・・すべての人々は我のため、国民は国家のため、としか思えない。
あんまり中国に文句を言うと、今ごろになって漢字や篆刻の知的所有権は
中国にあると主張しかねない。それじゃ日本も私もお手上げだから、止めておく。
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人々は、誰のため。(篆刻:人々我為)
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