車も、変な気をおこす。(篆刻:変)

変
エレベータに悪意を持って乗ると、そのエレベータが異常な動きをした、という。 シンドラー製の話ではなくて。その悪意とは何だったかを忘れてしまったし、 誰の本で読んだかも記憶がない。グーグルで、じたばたして、やっと思い出した。 ライアル・ワトソン博士、『生命潮流』の作者だ。ワトソンの話なんて眉唾、という方も おいでだろうから、代わりに私の信頼できる友人M氏の体験談を一席。 M氏が、あるご婦人とドライブに出掛けた。運転は彼だが、しばらく走ると止まる。 彼女に運転を代わると、すこぶる快調。で、再び彼が運転するのだが、また止まる。 ボンネットを開けても、問題らしきことはない。それが続いたので、JAFを呼んだ。 念入りに調べてもらったが、分からない。その後も、彼だとストップ、彼女なら快調。 ドライブは中止して彼女の運転で引き返したいが、高速道路で止まっても困る。 結局、レッカーを頼んで、助手席に乗って帰ったという話。「車、故障だったの?」 「その後何もなく運転している」 「誰が?」 「彼女が」 「彼女のクルマ?」  「彼女の、亭主のクルマ」 「じゃ、車が嫉妬して・・・」 「と、しか考えられない・・・」 篆刻は「変」。旧字は變。誓いの言の両側は糸飾りで、叩く意味の攴(ぼく)を 加えて、破棄、変更の意味となる。この場合は、糸の部分を車か女に変えるべきか。
ページ上部へ