愚かなり、マクドナルド。(篆刻:守愚)

守愚
こんなニュースで、あの赤い看板を見たくないけれど。看板のカタカナの 「マクドナルド ハンバーガー」は昔のままで、マよりハが下がっている。 アートディレクターのIさんが、「頭を揃えると、どうも読みにくい」と言いながら、 写植の「ハンバーガー」をずらした。すると、格段に読みやすい。ならばと、 藤田田社長にプレゼンして決まったもの。もう30年以上も昔のことだけれど。 最初のポスターの黄色いMの上のスローガンは「世界最大のハンバーガー・ チェーン」だった。しかし、最大級表現に厳しい時代で、事実だけれど、 入稿まで時間が無くて証明できない。急きょ代わりの案を考えろと言われて、 とっさに思ったのが、一定時間がたったハンバーガーは売らずに処分する、 という話。「味なことやるマクドナルド」のコピーは、そうして生まれたのだが。 それが、賞味期限のラベルの貼り替え、フランチャイズ契約の破棄、という 情けないニュース。しかも元社員の会社だという。篆刻は、旧作「守愚」。 「守拙」と同じく、小ざかしい世渡りを戒める言葉。藤田さんは、銀座三越の 1号店をアメリカ本社の言うことを聞かず立食にして、横紙破りのように 思われているが。私が知る限りはマニュアルを愚直に守り抜いた人だった。
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