水の、こころ。(篆刻:水心)

水心
さて、春らしいぽかぽか陽気の土曜と日曜。ここで掘らなきゃ掘る日はないよ、と 好天に後押しされて、湿地と畑を分断する溝掘り作戦は敢行された。 まず、ミニ耕運機で真っ直ぐルートを作りながら、黒い表土を柔らかくしていく。 それをスコップで畑側に放り出す。その下は粘土層。茶色、灰色、青と、まるで 粘土の見本市。先を研いだスコップで削りながら、これは湿地側に放り出す。 50センチも進まぬうちに、40年喫煙を続けた肺が悲鳴をあげる。ならば一服、と またタバコをすう悪循環。そうするうちに昼。とにかく、缶ビール。食事で腹が ふくれて、マッサージチェアで昼寝。そんなズボラな働き方でも、初日15メートル、 翌日10メートルを掘った。幅30センチ。深さは30センチだが山側の深いところは 80センチ。ざっと計算したら2立米以上もの土を掘りあげたことになる。 さすがに日曜の夕食は、疲労困憊で食が進まなかったが。一夜明けても、 筋肉、関節など異常なし。水路も、じわじわとしみ出た分の水は流れている様子。 これで長年の気がかりは片付いた。篆刻は、「魚、心あれば、水、心あり」の 「みずごころ」。相手が好意を持てば、こちらもそれに応ずる用意があること。 私の奮闘にむくいて、水気の多かった畑はすっきり乾いてくれるのだろうか。
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