むかし、ある方に私の守り神は「月讀(読)=ツクヨミ」と言われた。といっても、
たまたま満月を見上げたら、一応敬意を表して手を合わせるくらいだったのだが。
伊勢神宮に参ったとき、近くに月讀宮があるので訪ねたのだが、あっけない程
簡素で拍子抜けしてしまった。内宮、外宮に比べたら、まま子扱いに等しい。
先日、たまたま『ツクヨミ 秘された神』という本に出会った。それで知ったのだが、
ツクヨミに関する文献・書籍はこれが初らしい。だが古事記ではアマテラス、ツクヨミ、
スサノヲはイザナギの子の三神。皇統の証であり、天皇とともに移動する三種の
神器の鏡、勾玉、剣は、それぞれアマテラス、ツクヨミ、スサノヲを体現している。
にも関わらず記紀ともに、ツクヨミの記述はほんのわずかで不自然極まりない。
この国書の編纂を命じたのは天武天皇であり、日本の国体のデザインはすべて
彼が制定し、現在に至っている。そして、そのすべては陰陽道に基づくもの。
陰陽道は道教を父、古神道を母にして天武天皇が創始した原理と世界観であり、
まさに月を読むことなのだ。現に伊勢神宮の各種の行事には「太一」の表示が
数多く見られるという。太一とは陰陽全体を指し、太極図で示されるものだ。
奇しくも私のハイエスト・ハイのマークは、ふたつ巴の太極図。何か因縁を感じる。
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月を、読む。(篆刻:月)
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