消えた、歯医者。(篆刻:歯)

歯 小学生の頃は、「これで歯並びがよければ、歯のコンクールに出られる」と言われた。 それでも歯医者に通った記憶があるから、だんだん虫歯になったのだろう。20代の 生意気盛りには、小説家の某は歯など磨かないと聞いて、それを真似たりしたので、 結果的には人並みに歯医者通いをするようになった。まだ入歯が無いのは救いだが。 梅田・阪急で篆刻展をした7年前。原因を思い出せないが、何かの拍子で前歯が 欠けた。歯の欠けた顔で百貨店は失礼だと、YS歯科を教えられて差歯にした。 それはとても上手だったのだが、その後の他の歯の治療がひどかった。医者が 3人いて、行くたびに違うのだ。カルテがあるだろうに、どこまで治療が進んだかを 聞かれる。アホらしくなって、違うYT歯科にした。数本の虫歯の治療が済んで、 以後2ヶ月に1回、歯石を取りに通っていたのだが、ある日電話がかかってきた。 「先生が急に入院されましたので、予約はキャンセルになります」という話だった。 2ヶ月ほどたっても何の連絡もこない。電話してみたら「現在この電話は使われて いません」と無機質な声がする。ええッ、廃業しちゃったのか!? どうしたものかと 考えるうちに、奥歯にかぶせたものが、ポロッと取れた。その結果、私は生まれて 初めて歯の磨き方を教えてもらうことになったのだが、続きは次回。篆刻は、「歯」。
ページ上部へ