この前のコメントに「次は、勇気や元気の出る話を」と書いたが、なかなかそんな気に
なれない。最近のマスコミの調子は少し変わってきて、「日本の底力」だ「スゴ技」だと
元気に火をつけようとするが、続いて流れるニュースは、政府と原子力委員会、安全・
保安院、東電のモグラ叩きの惨状。おまけに谷垣某がヘラヘラ笑いながら大連立を
もてあそぶかのような有様で。地震、津波は天災だが、その他すべては人災なのだ。
芥川賞作家で福島県三春町の福聚寺の住職・玄侑宗久氏がNHKで「人間は龍を飼い
慣らせると思い誤っていた。所詮人間は地球の上に仮住まいさせてもらっているのに」
と語っていた。小説の中で魂の重さを本気で量ろうとする玄侑氏は、ブログで放射能
線量のよりきめ細かな測定と公開を要求している。また仮設住宅を広い敷地に一律に
業者が造るのではなく、小規模集落の原点と雇用対策にする提案を県知事にしている。
きょうは日本全体が一日中晴れで、こんな日は滅多にないらしい。どんなに科学が進化
しても、科学で日本中を晴天にすることなど出来ない。ここでも例年よりずっと遅い染井
吉野が開きはじめたが、桜の開花さえ人智を超えている。玄侑氏の背中に掛かっていた
「花笑春風」の軸は誰のものかは分からないが、けれん味のない颯爽とした字だった。
篆刻はその「花笑春風」。こんな時花見などするなと、都知事ごときに指図されたくない。
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春風に、花笑う。(篆刻:花笑春風)
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