独り、楽しむ。(篆刻:独楽)

201672817351.gif 篆刻は「独楽」。かなり昔、松岡亮仁さんから、好きな言葉だからと注文されたもの。 その松岡さんが、昨日亡くなった。脳のガン「湿潤性アストロサイトーマ(星細胞腫)」で 闘病4年近くの結末だ。広告代理店Dのコピーライターだった頃、神戸大丸の仕事で 出会い、もう15年ほどの付き合いになる。篆刻教室「天の会」の第一号会員でもある。 さて、ここまで書いて何をどう書いたらいいのか。そう、4年前の秋、家の前に知らない 車が停まった。松岡さんだった。三游会にほぼ毎回来てくれ、娘さんが生まれるたび 篆刻を依頼されたが、それ以上の交際はなかったのに、こんな話をされた。制作から 営業になって得意先との会食があり、時間待ちで貰いタバコをすったら気分が悪く なった。念のためと診断を受けたら、脳に雲状のガンが発見されたという。早期発見で、 ガンと気分が悪くなったことに因果関係はなく運が良かった、奇跡だと医者に言われた そうだ。切除出来ないので、抗ガン剤投与と放射線治療を続け、入退院を繰り返した。 治療をしながらも、月1回「天の会」に参加して、「行雲・流水」などの作品も残している。 ブログ『転がる路傍の石頭』は、去年の大晦日が最後になった。なぜ「独楽」という言葉が 好きなのか。なぜ私にガンの話をしに来たのか。聞きたいことはいくつもあるが。メール アドレスは奥さんとふたりの娘さんの名が組み込まれていた。その3人を残して逝った。
ページ上部へ