京都の岡崎には、なぜか縁がある。剣道の昇段試験で何度も通ったのが武道場。
篆刻の掛け軸をお願いする大谷錦生堂さんとの出会いも、岡崎のあるお店だった。
近代美術館近く、画材と額縁の博宝堂で見かけた額縁は、虫食いの木で、角には
さりげなく草花がペイントされている。カミサンも気に入ったので、迷わず購入した。
以来、岡崎に行くと必ず額縁を見せてもらう。すべての額は、ご主人の太田實さんが
2階の工房で手造りする一点物。重厚な彫りもあれば、カラフルなジェリービーンズを
ちりばめた遊び心一杯のミニ額もある。東京の熊谷守一美術館で個展をした時には、
小品の20点ほどを太田さんの額縁だけでまとめて展示したのが、大いに好評だった。
そしてこの5月には、「2階をアートギャラリーにした。太田實・木彫展をやっているが、
篆刻と額縁でコラボをしないか?」とのお誘いを受けた。早速伺って、数々の力作を
拝見。木彫への熱い想いを額縁に昇華されていることを改めて知る。篆刻は「彫」で、
周は彫飾を加えた盾、彡はその美しさを意味する。形と色、模様で多彩なアイデアを
展開する太田さんの額に、印泥の赤一色でどこまで応じられるかが、不安なのだが。
期間は10月23日?28日、テーマは《居心地のいい言葉たち。篆刻:田中快旺&
額縁:太田實 コラボ展》と決まった。居心地は確かだが、いい言葉が彫れるか・・・
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木を彫る、石を彫る。(篆刻:彫)
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