『あまから手帖』と宮脇綾子さん。(篆刻:あ)

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『あまから手帖』は関西ではよく知られた食の雑誌だと思う。創刊は1984年だから
雑誌としては老舗になる。京阪神エルマガジン社の発行で、初代編集長は重森守
さん。この編集レイアウトは私のいた会社がやり、巻頭の料理写真に添えた文章は
食などにまったく興味のない私が知った振りをして書いた。コピーライターは、そんな
ことを平気でする。それはさて置き、表紙を飾ったのは宮脇綾子さんのアプリケだ。

京都の伊勢丹で生誕110年の展覧会があったので、懐かしさで見に行ったのだが。
カミサンから「宮脇さんの作品を表紙に使ったのは、布好きのカミサンが読んでいた
家庭画報を私が見て、起用を提案した」と聞かされた。そんな経過は忘れていたが
お役に立てたのはうれしいこと。創刊号は「干しえび」だが、思ったより大作の実物を
拝見できた。どの作品も布への愛着とその布や柄を何とか生かしてあげられないかと
いう機知と工夫に富んでいて、とても素晴らしかった。「でも手仕事の部分はかなり
荒っぽいな」とつぶやいたら、カミサンは「次々にアイデアが出るから、細かい部分に
こだわっていられない」という。カミサンも布の細工をするから、なるほどなァと納得。

さて、重森さんも亡くなったあまから手帖の現在は、大人の愉しい食マガジンとして
クリエテ関西という会社の発行。私、食に関心はないけれど、頑張ってほしいです。

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