草に泣く。(写真:百野草荘看板)

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先日の奈良シニア大学の講演で、雑草だらけの百野草(ものぐさ)荘に住んでいると
自己紹介した。日本のレタリングの先達である佐藤敬之輔氏が行き詰ってイギリスを
旅したが得るものが無く帰国、家のそばのススキの葉を見て求めていたものを発見
した逸話を紹介し、私の篆刻も植物の巧まざる姿に影響を受けているという話をした。

そうではあるが、雑草がまだ伸びきらない椿を超えるほどになったら刈らない訳にも
いかない。4月の上旬に、敷地の脇の農業用水のU字溝回りを刈ったのだが1ヶ月
たてば溝にかぶさるように草が伸びる。U字溝に金網をはった枠を置いて流れる草を
止める。それをカミサンに手伝ってもらい、溝から上げる。溝際が終われば、市道への
斜面を刈る。それで午前は終了して、ビール、昼飯、昼寝が休日のルーティーンだが。
寝覚めに刈った草の片付けを済ませ、縁側でコーヒーを飲んだら、目の前で伸び放題
のスギナが気になった。都忘れ、十二単、昼咲月見草、河原撫子、蛇の髭など、文字
通り草の根をかき分けてスギナを抜いたら6時を過ぎていた。それが8日、日曜のこと。

月曜から連休で遅れた篆刻を彫りだしたのだが歯茎が腫れて痛い。火曜もまだ腫れが
引かないので歯医者に行こうとしたら休み。無理して彫ったけれど3つとも気に入らず
彫り直しをした。草刈もほどほどに、もう無理できない歳なのだと歯の根で思い知った。

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