命は、繋がった。(篆刻:繋)

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ツバメのヒナ5羽は親が餌を運んで、順調に育っていた。ところが金曜の夜、猫の
サバとタイがツバメのヒナを3羽くわえて来た。1羽はお腹をかじられているが、猫は
こんな噛み方をしない。巣を見たら、崩れた中に1羽だけ残っていた。巣の下の柱に
アライグマの深い爪痕があった。親はいない。ヒナを守るために蚊取線香を焚いた。

翌朝、親は遠巻きに警戒していたが、やがて餌を運びはじめたので、ひと安心した。
4時頃、草刈りが一段落して、カミサンと遅いコーヒーを飲みながら、巣を見上げて
「しかし、親が前ほど真剣に餌をやっていないな」と言ったその時。ヒナが巣を飛び
出した。飛ぶというより落ちるように、それでも離れの玄関の前の南天の花の房に
とまった。親はすぐ来て、そばの枝にとまったり、餌をやったりする。サバとタイが
気づいたので、叱ったり、追い払ったりしながら、見守ること6時まで2時間。暗く
なったらどうするか、心配をはじめた頃。ヒナは少し高い離れの屋根に飛び上った。
親も近づく。次は、さらに高い母屋のひさしに飛んだ。親もそばに行くが、しばらく
して飛び去る。残されたヒナは、ついに親を追うように、空高く飛び上った。よかった!

親が餌を減らしたのは危険なここから巣立たせるためだった。まだ産毛が残るヒナも
餌をもらううちに力を蓄えた。すごいなあ、生きものは。そうして命が繋がったのだ。

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