書が、判らない。(篆刻:書)

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先週の「情熱大陸」は女性書家の中塚翠涛。ルーブル美術館での展覧会に招待
されたのに驚いたが、それで二つの金賞をもらったというから、もっとビックリした。

こういう私の書道歴は小学校で教室に通い、県の教書大会に学校から選ばれて
行った程度だから、以下は素人のたわ言に過ぎないけれど。彼女の書の感想は、
「この程度の字を書く人は日本にどっさりいるだろうに」ということ。名のある書家の
篆刻も彫らせていただいているし、毎日新聞だから書の記事が多く、ほとんどに
目を通しても、私が双璧と思う良寛と会津八一をしのぐ書を見た覚えがない。まあ
ビートルズを超えるミュージシャンを知らないのと同じ話になってしまうのだけれど。

ただ面白いなあと思ったのは、彼女がルーブルのための作品を構想するにあたって
篆書体に大きく傾斜していたこと。書体に何の制限もないとき、また漢字を知らない
人々に漢字の面白さを伝えたい場合、誰もが整理されすぎた楷書ではなく、文字が
生まれたときの物語を色濃く残す篆書体の魅力にすがるのは、自然の流れなのか。

これを書く前にWikiで見たら、彼女は元モデル、現在もPR事務所所属で美人書家
が売り言葉だとか。女性書家は美人じゃないと有名になれないなんて風潮は勘弁して
欲しいけれど、金賞二つもくれたのはフランスだから美人に弱いのは仕方ないのか。

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