篆刻に、救われる。(篆刻:陽子)

2020817155310.jpg
「近大奈良病院の耳鼻咽喉科の教授と、篆刻を通じて長いお付き合いだった」のは
Y先生のこと。雑誌の『奈良人(naranto)』、2014年秋冬号で楽篆堂の記事を読んで
お知り合いのお医者さんの昇進や栄転のお祝いとして、篆刻を依頼していただいた
からなのだ。篆刻はお祝いラッピングにして、こちらから発送するので、毎回手書きの
添え状を書かれる。郵送してくだされば済むのに、お忙しいなか生駒の病院から、ここ
まで持ってきてくださることが多い。ご出身は吉野なので、懐かしさもあってだろうか。

Y先生に主治医として助けていただいた、そのきっかけが『奈良人』。編集長は林忠厚
さんで、彼が東大寺門前「夢風ひろば」の支配人だった時には、事実上のロゴになった
「夢風」を彫らせてもらっている。命を救ってもらったきっかけの林さんにお礼を言いた
かったけれど、すでに亡くなっていて、『奈良人』も廃刊になっている。さあ、どうしよう。

林さんには陽子さんというパートナーがいて、彼女が年賀状に、以前の「忠厚&陽子」
セット印が18ミリだったので、それより小さなものが欲しいと書いてあったのを思い出
した。前回の雰囲気は残しながら、15ミリ角で彫り直して、お贈りした。篆刻がご縁で
助けられた、そのお礼を篆刻で出来たので、話の筋が通ってスッキリした。手力男を
引退したけれど、それを見ていたかのように篆刻の注文が入ってくる。篆刻大明神!

ページ上部へ