赤い心。(篆刻:赤心)

赤心
「赤言白心」は、7?8年を経て、この「赤心(せきしん)」に変化した。 意味は、ちゃんと広辞苑にも出ている。いつわりのない心、まごころ、とある。 誰かがこの作品を見てくださる。そばに書いてある意味を読む。 そして、私の顔を見る。「エエッ・・・」という顔をする。いやいや、それは誤解。 「赤心」を彫った私が、まごころの持ち主だなんて言ってませんよ。 あきらかに変化はしたが、進化したかどうかは、分からない。 自分では進化だと思っても、こんなモンは、篆刻ですらない、という方はいる。 特に、日展を頂点と思い信じて、とにかく先生のおっしゃるがまま、 いつの日か、日展入選作家になることを願う方にとっては、 これは篆刻ではない。単なる文字デザイン、レタリングである、らしい。 しかし、ものをつくるとは、と大上段に構えるつもりはないが、 その道で前に進もうとするのか、誰かの後を歩むだけで充分なのか。 他からの評価などはさておいて、この自覚の差はすこぶる大きい。 これが、私のいつわりのない心だが、実際は「赤心」どころか赤面ばかりだし、 赤心も度が過ぎると「赤貧」に限りなく近づくこともよく分かっている、つもりです。
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