紫煙1本、1000円。(篆刻:紫)

紫 今回は、開高健大先生の気の利いた煙草のうんちくで始めたかったのだが、 こんな時に限って見つからない。シャレてる場合ではないから、本題に入る。 3月1日、奈良市で「路上喫煙防止条例」なるものが施行された、らしい。 禁止地域は、東大寺入り口、奈良市役所、春日大社一の鳥居、JR奈良駅に 囲まれた道路・公園などの公共の場所。歩きながらはもちろん、立っても 座っても、たとえ携帯灰皿を使っても、罰金1000円。市の環境保全課に電話で 聞いたら、近鉄、JRの駅そばには2ヶ所ずつ灰皿を置き、喫煙できるという。 コンビニの入り口の灰皿では、と聞けば、そこは私有地でおとがめ無し、とか。 「平城遷都1300年記念事業に向け、国際文化観光都市としての美しい街並みと 安全で快適な生活環境を確保するため」というのが、その大義名分らしいが。 近鉄奈良駅の西側、油坂のJR高架化という大工事をしたのに、JR奈良駅からの 車道が交差したままで、渋滞は前よりひどくなった。これは大義名分に反して いないか。車の渋滞、排気ガスを抜本的に解消せず、喫煙者に小手先の条例で 迫る。税金が足りないと、真っ先に煙草の値上げをする。喫煙者いじめの数々を 思い出しながら、煙草をもう5、6本もすった。篆刻は「紫」、泣き顔にも見える。
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