野に、恥じる。(篆刻:野)

野
今年の桜は、本当に花の数が少ない。のだが、奈良東部山間が満開のここ数日は、 好天が続いているから、花の楽しみの総量は、去年と変わらないようだ。 おとといは、野山の花と遊ぶ「花の会」のお花見に混ぜてもらった。 缶ビールのほろ酔いで、山道の花材探しにも同行した。楽篆堂と「三游会」を催す 「花の会」だから、楽篆堂のホームページでお仲間として紹介するために。 日陰の土手で、ショウジョウバカマはやっと花を付けたが、まだ首は短い。 ユキノシタの仲間のチャルメルソウの蕾は小さいが、軸をつんつん出して準備万端。 山水のせせらぎには、シロバナネコノメソウが控えめに花を咲かせている。 イワタバコは、岩にしがみついて、やっと葉を広げはじめた。見上げれば、 ヤブツバキ、ダンコウバイ、クロモジの花、ウリカエデ、モチツツジの新芽などなど。 早春ならではの野山の息吹を全身に感じて、みそぎをしたような気分になった。 そのおおらかに流れた1日は、ホームページに新設の「楽篆堂のお仲間たち・ 花の会」をご覧いただくとして、篆刻は「野」。里は田と社をあらわす土で、 野の別字「埜」は林の中の社であるという。まあ、それはともかく、この篆刻。 森羅万象の巧まざる造形を目の当たりにした後であれば、何ともはや小賢しい。
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