百錬すれば、自得するけど。(篆刻:百錬自得)

百錬自得
おとといの土曜の午前は、のんびりカミサンと園芸品店に堆肥の買出しに行った。 本来ならば少年剣道の春休み明けの練習で、小学校の体育館にいるはずだったが。 「狭川少年剣道クラブ」は、17年度の10人をピークに、卒業生が抜けるまま 18年度は8人になり、今年度は3人しか残らない。新入生が増える見込みもない。 父兄と相談して、残念ながらクラブの長い歴史を閉じることにした。 この狭川は津本陽の『柳生兵庫助』にも出てくる狭川新三郎の在所。 兵庫助が刀傷を癒すために狭川の別荘に逗留し、鯉を素手で獲る話などもあった。 新三郎は柳門四傑のひとりで、狭川派新陰流は仙台藩の御家流となる。 昔から剣道が盛んで、古老からは、県の南北大会で優勝した自慢も聞いた。 私の息子たちも、このクラブで習ったので、未熟ながら指導をお引受けしたのだが。 週に1回子供に剣道を教えることで、かすかに続いていた私の剣道も、 ついに終わってしまった。原因は加齢だという、ごく軽い頚椎のヘルニアを口実に、 少し値の張った防具もインテリアになった。行き止まりの3段の免許状も、 額に入れて飾ることにしようか。篆刻は、むきになって3段を目指していた頃の 旧作「百錬自得」だが、私の場合は「百錬せず、ゆえに自得せず」と読む。
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