吹き飛ばせ、罪。(篆刻:息吹)

息吹
少し遅くなったが、連休を目前にして、鯉のぼりを揚げた。 この月曜日に天気が良くなったので、さぁ揚げようと出したら、吹流しが無い。 去年、丸太の先にからんで破れて処分したのを忘れていた。こういうところが、 行き当たりばったりの私らしい。ネットで注文しようとしたが、セットばかりで、 吹流しの単品に行き着けない。去年も子供の鯉を電話で取寄せたのを思い出す。 関西では有名な「人形のM」本店に電話した。相手は、年配の女性だった。 「吹流しの単品が欲しいのだが、最近の濃い色では古く色褪せた鯉に合わない。 さっぱりした色だとありがたい」と、こちらの希望を率直に伝えた。 在庫を探して電話をもらうことになった。「廃番のものですが、色はご希望に近い。 定価5,800円ですが、送料込みで3,000円。明日午前には届きます」 お願いします、と答えたのは言うまでもない。最近は、私も本の購入は、 アマゾンと決めているが、このテの話は、息づかいまでが伝わる電話に限る。 篆刻は、「息吹」。亀井武彦氏の書に触発されて、私ならどう彫るかとの試み。 ちなみに息吹戸とは、神が罪や穢れを息で吹き払う出口。笑いはじめた山々の 息吹を大きな口いっぱいに吸い込んで、鯉の家族が気持ちよさそうに泳いでいる。
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