桜見るなら、五分咲きで。(篆刻:華看半開 酒飲微酔)

華半開
奈良公園の桜が、やっと咲きだした。氷室神社のしだれ桜は、もう満開らしい。 市内から15キロのこの山里では、もう少し待たなければならない。 ここ数日、春寒が続いて、つぼみがふくらんだまま開かない。 きょうか、あすか、と桜を見上げる。日本こその、春ならではの気分を楽しもう。 で、「華看半開 酒飲微酔」 桜を見るなら五分咲きを。酒を飲むならほろ酔いで。 東京にいる友人から、昔の篆刻の額装を依頼された。それが、これ。 大阪に家族を残しての単身赴任。ひとり暮らしではつい酒量が増えてしまう、 その自戒に、とあった。東京の花見は、この土日がピーク。額が届くころは、 桜も散っているだろうが、彼にとって「酒はほろ酔いで」は四季を通じて有効だ。 それに印は捺して、乾かし、さらに裏打ちする。と、ここで言い訳をしておこう。 田舎では、さほど広くない敷地だが、それでも桜は14本。2月に咲くという伊豆の 河津桜は、まだ若く、やっとつぼみがチラホラ。桜で唯一挿し木できるという 啓翁(けいおう)桜は、鉢植えを戴いた。20年ほど前に植えて、毎年見事に咲いた 八重桜の1本に元気がない。冬の間、落ち葉を敷き、石灰や鶏糞をやったが、 枝にもつぼみにも力がない。無事「サクラサク」になったら、ビールでほろ酔いだね。
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