友がいたが、もういない。(篆刻:友有)

友有り
「友有」は、「友あり」。右から、手がふたつ重なる「双」の変形が「友」。 いまでも婚礼などで手を重ねて誓うが、そのようにした者同士のこと。 「有」は、これも手に肉(肉月)があること。で、「友有」は、手が3本並んでいる。 私の友のひとり、Kさんが2月15日に亡くなった。 そして、きょう4月2日は、Kさんが好きだった音楽で送る「お別れ会」だ。 大阪の「ライト・ゲージ」というカントリー・ウエスタンが好きな人が集まる店だった。 ある女性客が酔って暴れた。ママが困っているのを見かねて、私ともうひとりの お客さんで店から出して、タクシーに押し込んだ。その同士がKさんだった。 私の篆刻の展覧会にも、奥さまと何度も来てくれて、いつもにこにこ嬉しそうだった。 1月23日消印のハガキには、「近々御一緒したいですね」と、しっかり書いてある。 きょう、私も1曲歌わせていただく。「涙そうそう」のハワイアン・バージョン、 「カ・ノホナ・ピリ・カイ」を歌うことにした。日本語のあの歌詞では、最後まで歌い通す 自信がない。カタカナなら、目で追うのに夢中になるから、何とか歌いきれるだろう。 Kさんの前で、まともに歌えた記憶がない。きょうも、下手のままでいいよね。 「この世を去った人々は 美しい思い出になり いつまでも褪せず 輝いている」
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